5 10月 2011
アップルの会長、そして偉大なるイノベーターで経営者であったスティーブ・ジョブズが9月9日に膵臓がんで他界していたとGizmodoやWSJなど複数のソースが伝えた。享年56歳。(注意:現在逝去の日付が確認できるのはGimodoのみどうやら前回の噂が上がった時に作成したエントリーをそのままアップした様子 よくあることですが)
(訂正:Gizmodoはその後エントリーの日付を訂正 October 5th, 2011 -> Today )となった様子)
下記はTech Crunchに上がったアップルの役員会からの声明
Statement by Apple’s Board of Directors On The Death Of Steve Jobs
Steven Paul Jobs was 56. He died from advanced pancreatic cancer that he had been publicly fighting since 2004. He, along with co-founder Steve Wozniak, built one of the most “commercially successful” personal computers and founded Pixar animation studios.
We are deeply saddened to announce that Steve Jobs passed away today.
Steve’s brilliance, passion and energy were the source of countless innovations that enrich and improve all of our lives. The world is immeasurably better because of Steve.
His greatest love was for his wife, Laurene, and his family. Our hearts go out to them and to all who were touched by his extraordinary gifts.
You can share remembrances with Apple at rememberingsteve@apple.com.
Do not therefore consider this life as an object of any moment. Look back on the immense gulf of time already past; and forwards, to that infinite duration yet to come, and you will find how trifling the difference is between a life of three days and of three ages.
Let us then employ properly this moment of time allotted us by fate, and lave the world contentedly; like a ripe olive dropping from its stalk, speaking well of the soil that produced it, and of the tree that bore it.
-Marcus Aurelius, Meditations
この声明は10月5日付で発表されていますので、10月5日(水)に亡くなられたことになります。
1ヶ月ほど前だったか、同じようなニュースが一瞬流れたことがあって、デマだったのがすぐに分かったんですが、今回はホントのようです。信じたくないことですが。。。
Steve Jobs is dead. The Apple chairman and former CEO who made personal computers, smartphones, tablets, and digital animation mass-market products passed away today. We’re going to miss him. Deeply, and personally.
Steven P. Jobs passed away on
Friday, September 9thOctober 5th, 2011 after a long struggle with pancreatic cancer. He was just 56 years old. We mourn his passing, and wish his family the very best.Let’s address this up front: Gizmodo and Steve Jobs had, at best, a tumultuous relationship. Yet no matter how much he may have hated us, we admired him.
No, that’s not quire right. We loved him. (Gizmodo)
<追加>
Message from Tim Cook CEO “The Email From Tim Cook, Apple CEO, To Apple Staff”
実は9月9日に亡くなってたんですね。ほぼ一ヶ月間、内緒にされてたということですか。
Apple’s Steve Jobs Is Dead (WSJ)

Steve Jobs Is Dead (Gizmodo)
Steve Jobs Has Passed Away (Tech Crunch)
Jobs, Apple Co-Founder and Visionary, Is Dead (NY Times)
Steve Jobs Dead: Apple Co-Founder Dies At 56 (Huffington Post)

先日の’Let’s Talk iPhone’イベントは最後の餞(はなむけ)だったのだろうか。誠に惜しい。
ちょうど今執筆中のインターネットと資本主義の話はスティーブ・ジョブズに関連するエピソードから始まる。(合掌)
彼には資本主義の枠組みを超えて、もっと世界の人々のためにリーダーシップを発揮して欲しかったです。
こちらに入った噂ではすい臓がかなり悪く、前回ダウンした際にとんでもなくウルトラCの手術で回復したというのがありました。真相はわかりませんが、偉大なる起業家のご冥福を慎んでお祈り申し上げます。
お詫び*本エントリーについて、Gizmodoが当初発表した死亡日(9月9日)を前提とした速報を流してしまったことをお詫びして訂正いたします。
(*追加怪情報 )
実はLA一の情報通とも言われているPOPJNEOの市村社長から下記のようなテキストメッセージを当日に受けていました。指摘されて確認してみてびっくり!(汗) 市村氏は20年来のマックユーザーとして喪に服されるとのことです。ちなみに当日はアメリカでスティーブ・ジョブズ死亡説があちこちで流れました。
4 10月 2011
開始時間は午前10時(太平洋時間)
最初のプレゼンをしているのは新CEOのTim Cook氏です。
(Engadget)
The Shanghai store is “absolute gorgeous,” the company’s largest store in Asia. 100,000 visitors stopped by on opening weekend.
オープンして最初の週末は10万人(!)のお客さんが訪問したとのこと。
こんなライブストリーミングも
Watch live video from Vertex on ja.justin.tv
今回はEngadget が見やすいかな。。。

“Every single quarter for 5 years the Mac has outgrown the PC market! We are now approaching 60 million users. In US retail Macs are now selling in about 1/4 PCs in the store.”
Apple only owns 5 percent of the global mobile phone market. And it thinks one day everyone will own a smartphone. They want to sell more of them.
Oh, hey, now let’s iPads! They’re nice. Everybody likes them.
95 percent of people who own an iPad are satisfied with it. The other five percent also hate things like breathing clean air and heartbeats.
iPhoneとiPadがどれだけ市場で評価されているかという話
いつもと同じような販売実績についてのプレゼンが続く。。。
グリーティングカードの老舗Hallmarkとの提携。非常にアメリカっぽい。


Engadgetがなかなかいい感じなんですが、自動更新がちょくちょく落ちるんですよね。(我が家のネット環境の問題だと思われ)
先ほど紹介したストリーミングの若者二人がやってるライブストリーミングが意外に面白いので、耳ではそちらを聴いてます。
間にこんなニュースも
米アップルの「iPhone 5」、大幅な改造されている-アナリスト
MACWORLDのサイトはダウンしてるっぽい?

iOS 5 will be available as a free update on October 12.
Eddie Cue がiCloud について説明
Over 1/3 is purchased on iOS devices. “Keeping it in sync can be frustrating.” You can say that again. Walking us through the whole cloud syncing scenario, you get the gist.
iTunes Match?
なんか、聴いてるほうも退屈してきている感が。。。
WSJのAll Things Digital もうまく中継してますが、更新された内容は上ではなく下に出てくるのでご注意。
地理専攻だけに、どうしてもこういうのに目がいってしまう。Foursquare みたいに見えますが、デバイスとフレンドを探知するということでしょうか。
Phil Schiller takes the stage to talk about iPod.
ということで、話はiPod に、iPhone はその次でしょうかね。
いよいよiPhone!
iPhone5 ではなくて iPhone 4S みたいですね。
明らかにみんなテンション下がってますが(苦笑)
株価が少し下がったという情報が
各社の報道では写真はAll Things Digital (WSJ)が一番いいですね。更新頻度などではEngadget、GDGT Live も頑張ってますが、それ以外はもっと頑張って欲しいですね。
見た目は同じでもスペックは向上(当たり前ですが)
Okay, now its network time. The iPhone 4 was of course GSM vs. CDMA. The 4S is both — GSM and CDMA.
おっと、GSM とCDMA の両方に対応するわけですね。これはシムロックだといよいよ iPhone VS その他大勢のスマートフォンという構図に。これが年内のリリースを急いだ理由でしょうか。つまり5での世界戦略の布石ということですかね。
例のストリーミングサイトで、会場からの音声が聞こえてくる。
“To many customers this will be the best still camera they’ve ever owned and the best video cameras they’ve ever owned.”

AirPlay Mirroring is now happening, meaning you can get your gaming on the big(ger) screen.
なるほど、1080P対応ですしね。綺麗に映るんでしょうね。ゲームプレイも共有できます。
恒例のOne More Thing も厳かに?
Phil left one thing out. “It’s a feature all about our voice.”
この辺りの機能はグーグル翻訳と対抗してるイメージさえありますね。
バーチャルアシスタントを標榜している様子

アラームがセットされる。 これって日本語でも可能なんですかね?すごいですね。
その場にいないと伝わりにくい下記の内容。どうやらテキストやらボイスやらで他人とのアポを調整したりするようになる?

Philからテキストをもらい
本当にこんな機能みんな使うのかが少し疑問ですが(笑)なんかマイクロソフトのプレゼンに似てきたな(苦笑)
僕の場合、しょっちゅう道に迷うので「今どこで、どうやったら次の場所に行ける?」って聞けるとパーフェクト(笑)

アシスタントの名前はSiri、賢いのに Siri (笑)謙虚なやつです。
しかしどうやら日本語には対応していないらしい!? (英語・ドイツ語・フランス語のみ)やっぱりねぇ。

もちろん音声認証はメールにも使えると。やはりグーグル翻訳を相当意識してる気がしますね。あのアプリ便利ですから。
ストリーミングの二人が機械翻訳のBad Translationについて話してる。日本語の例も。

旧バージョンも発売継続 3Gは無料 そしてSprintでもいよいよiPhoneが!Sprintは4Gネットワークが強いです。

10月14日に発売。プレオーダーは7日から。この辺りはリーク情報と同じ。

2:38PM “I am so incredibly proud of this company and all of the teams who work so hard to bring all of the innovations you’ve seen today.”
2:37PM “Now, when you look at each of these, they’re great and fantastic and industry leading in and of themselves…” Tim is slowing down. Things are building up. “What puts Apple way out front is how they’re engineered to work together so well.”
2:36PM On the 28th 22 more countries, and 70 countries by the end of the year. Over 100 carriers. “Fastest rollout ever.”
2:36PM “And that’s the iPhone 4S. Thank you.”
2:36PM Tim is back, re-capping things.
2:37PM Called the iPhone 4S “the most amazing iPhone ever.” But for how long
そして、One More ThingもSteve Jobsの出番も無しで終わったようです。
がっかりした人も多いだろうことは彼らも知っているようで、最後のコメントが
Sorry folks, no iPhone 5… yet….
でした。
アシスタントとダブルアンテナは面白いですが、それ以外はあまり大きなサプライズでもなかったですね。
グーグルのアンドロイドOS、そしてアマゾンのKindle Fire、勢いを増す敵陣に対してこれまで気づいてきたシェアと顧客満足度を用いて、ホリデーシーズン前に囲い込みを強化するという目論見ですね。来年の春頃にはiPhone5と新しいiPadで勝負をかけてくるのでしょうか。
これにてロサンゼルスからの擬似ライブ中継を終了します。
4 10月 2011
本日午前10時(米国太平洋時間)からApple の新製品発表会’Let’s Talk iPhone”が行われる。
今日は用事があって、自宅にいるのだが最近ネット接続の調子が思わしくなく、実況できるかどうかは不安なところだがとりあえずライブ中継のリンク集を下記にまとめてみた。
Tech Crunchではどうやら遠く離れたロンドンからライブ中継を行うという試みもあるらしい。相変わらずすごい熱狂ぶりだ。
Live From London: Apple’s Remote iPhone Event
そして、何やら日本のアップルストアが新型iPhoneの発売日をリークしてしまったというニュースまで。
Apple’s Japanese Site Leaks iPhone 4S Launch Date: October 14
ライブリンク集
Gizmodo Live
Live Coverage of Apple’s ‘Let’s Talk iPhone’ Event (MacRumor)
Apple’s ‘Let’s Talk iPhone’ keynote liveblog! (Engadget)
Live Apple iPhone 5 event coverage
Apple iPhone Unveiling [LIVE BLOG] (Mashable Tech)
Live Update: Apple talks iPhone (MACWORLD)
Apple’s “Let’s Talk iPhone” Event, LIVE (All Things Digita WSJ)
最初のプレゼンの場に立っているのは新CEOのTim Cook の様子
ちょっと変わったLive Streamingはこちらで
Live coverage of the Apple event starts soon! (Vertex TV powered by JustinTV)
間にこんなニュースも
米アップルの「iPhone 5」、大幅な改造されている-アナリスト
28 9月 2011
さて、で、いよいよKindle Fire のお出ましである。もちろんアマゾンからのタブレットは初めて。
報道各社の記事を見ても、ここで色めき立っているのがよく分かる。
And then, this is how it looks after all!

今まで保守的な色合いの強かったアマゾンからすると、この製品は異色である。まずはCMをご覧頂きたい。
そもそもすでにCMがなんだかアップルチックなのである(笑)
ちなみに公式サイトもこんな感じ

最初に紹介した新型 Kindle が電子ブックリーダー初心者向けの導入製品だとしたら、この Fire はタブレットが欲しくて買えなかった人向けへの導入だろう。高校生や大学生を狙っているというのもよく分かる。彼らはモノクロのキンドルには興味がないかも知れないけど、この Fire には興味をもつかも。なんてったって音楽や映画に加えてゲームまで出来てしまうのだ。そう、この Fire には App Store がついている。(商標でアップルともめたやつだ)
それにしても、この命名、早くもネットでは大きな話題になっていて検索するとKindleが炎に包まれたような画像がやたらと出てくる(笑)
このKindle Fire にはクラウド対応のブラウザー「Silk」が搭載されている。
先ほど紹介したYouTubeのKindle公式アカウントではこの Silk のデザインコンセプトを紹介するデモ動画がアップされている。(ほとんどエンジニアが話しているだけ)
Amazon Silk—Amazon’s Revolutionary Cloud-Accelerated Web Browser
スマートブラウザーを標榜して、端末で対応する内容とクラウド上で処理する内容を再デザインしたという感じのことを言っている。これについてはまた詳細が明らかになるだろう。開発したエンジニアは大きなことを言うだろうが、結局は体験してみないと分からないことが多い。画像処理などに対しても、大きな画像を転送するのではなく、小さなファイルでやり取りできるようにしているという。エコな設計になっているということだろう。もちろんアマゾンのクラウド(EC2)は定評があるシステムなので、ここにきてアマゾンが地道に蓄えてきたコア競争力の一つのクラウドがばっちり Kindle と組み合うということだ。これはアップルが目指しているところでもあるが、アマゾンの方に歩がありそう。
すでに先のエントリーでお伝えしたように、アマゾンはAmazon Prime というチャンネルで動画配信を行なっている。映画やテレビ番組はすでにアマゾンのコンテンツとなっており、それらをついに Kindle でも体験できるようになったということだ。汎用のアンドロイドOSはオープンなのはいいが、整合性が取りづらくなって、どうしても使い勝手が悪い場合があるのだが、アマゾンはこれを完全に中央集権化しようとしている。つまり、アマゾンがやろうとしていることは端末ごと抱き抱えた iモードなのである。
そして、アマゾンが狙っているところは昔から変わらず、「アマゾン」ショッピング専用の端末を作ることだ。抱え込みという点ではアップルよりも強力だ、何しろアップルはアップル製品が主力製品だが、アマゾンの主力製品は膨大な数のAmazon.comで販売されている商品である。一見 Kindle Fire は iPad の真似をしているように見えるが、実はその先にあるものは Amazon.com であり、アップルよりも1マイル先にあるといえる。
来年発売されると噂のiPad3 を考えた時に、199ドルでこれだけのものを出されてしまうことに対するアップルの心理的抵抗はどんなものであろうか。アメリカではスマートフォンの普及がほぼ一般的になってきているので、そこで培われたユーザー体験をスムーズに移行できるタブレットには成功の可能性がある。しかし、汎用のAndroid OS を家電各社が出すだけだと、肝心のコンテンツと一体感がなく、どうしてもちぐはぐになるし、マーケティング効果も分散されてしまう。よって、ニッチなタブレットはいくつもでてはすぐに消えてしまうことになる。(ガラパゴスがいい例である)
コンテンツも豊富だ。アップルがアップルTVをもう少し売っていれば流れは少しは抑止できたのかも知れないのだが。(ところで海外コンテンツも増える可能性はあるのだろうか?)
18 million movies, TV shows, songs, magazines, and books
Amazon Appstore – thousands of popular apps and games
Ultra-fast web browsing – Amazon SilkFree cloud storage for all your Amazon content
Vibrant color touchscreen with extra-wide viewing angle
Fast, powerful dual-core processor
Amazon Prime members enjoy unlimited, instant streaming of over 10,000 popular movies and TV shows
1,800万タイトル以上の映画、テレビ番組、楽曲、雑誌、そして本。
ここらはアマゾンの得意なところだ。
しかし、ここですでに耳慣れた Appstore という文字が目に付く
先日のことなので覚えている方も多いと思うが、アップルはこの「App Store」という商標を巡ってアマゾンをカリフォルニア州内の連邦地方裁判所に提訴している。
ゲームの画面がデモにもでてくるが、あれはなかなか面白そうである。これで、高価なiPadの替りにゲーム好きな子供たちに買ってあげる品ができた。しかも本も安くたくさん読めるので喜ぶ親が多いのかも知れない。レビュー次第ではクリスマス商戦でトップアイテムになるだろう。
もちろんゲームの種類や数はアップルのApp Store の比ではないが、ここにコンテンツが増えてくる可能性は十分にある。なにしろ、作っている側からするといくらでも販売チャンネルが増えたほうがいいのだから。
ところで、Kindle Fire を巡る最大の焦点の一つは「3G非対応」である。
これにはいくつか理由が考えられる。もちろんコストダウンが最初、そして次にApple ともめたくないキャリアとの交渉がうまくいかなかったこと。あるいはしばらくして交渉がまとまれば3G版がでてくるのかも知れない。
しかし、もう一つの考え方としては、アマゾンがタブレットにもともと3G通信機能を搭載したくなかったということである。コストや契約が煩雑になるのは、「1クリック購買」を推進するアマゾンにとっても得策なことではない。実はアメリカでもここ最近日本のWiMAXのような便利なサービスが出てきており人気を博している。Verizon 版のどこでもWiFi ルーターみたいなのもあるし、場所により任意の3Gネットワークを指定してつなぐ CLEAR というサービスもある。

CLEAR のプランでは一番安いプランだと月々20ドルから利用できる。
こう考えると月々iPad だけのために15ドル以上を払うプランがどうしても割高に見えてしまう。
私も日本ではもっぱら WiMAX 経由でネットワークにつなげており、端末はアメリカで普段利用している iPhone である。周りでも持っている人が多いので、一つの時代の潮流だ。
Kindle Fire の先行発売は始まっており、出荷日は11月15日。感謝祭の週末をめがけて投入できたのは、スケジュール的にはバッチリである。一方、アップル側は年末商戦でアマゾンを迎え撃つタブレットがない状態だ。アマゾンの株価は今日の発表を受けて早くも上がり始めているという。
いよいよガチンコになってきたアマゾン VS アップル 今後も展開から目が離せないのは間違いない。
<関連記事>
Amazon が新型 Kindle 3機種4製品を発表 (3) うぃる爺の分析
Amazon が新型 Kindle 3機種4製品を発表 (2) 報道リンク集
Amazon が新型 Kindle 3機種4製品を発表 今度はホントの iPad キラーか Nook は死亡確定??
28 9月 2011
発表時刻が日本の深夜にあたるためか、まだ日本のメディアの出足は遅い。それでもすでに多くの情報がアップされているのは、今回のニュースがビッグだからだろう。
詳細な解説はEBook2.0 Forumの鎌田氏に譲るとして、ここでは私なりの分析をしてみたい。
今回の発表はどうみてもアップルを意識しているのは間違いない。先日全米の時価総額一位という歴史的なベンチマークを達成し、会長の座に退いたスティーブ・ジョブズは今日のベゾスCEOの会見をどう見るのだろうか。Kindle という単語は出版業界を燃やすためかと思ったら、どうやらアップルを燃やすつもりだったのか?とも取れなくはないほどのパフォーマンスだ(笑)
今回のラインアップについて重要な点は、これまでのキンドルの発表時にはなかった「選択肢」の提供である。
まず、廉価版のKindle はずばり初心者向けである。子供や、これまで電子ブックリーダーを買ったことがない人に対する提案。
先日任天堂が3DSの画期的な値下げを断行した際には、一気に売上が伸びたが、これは値段が高くて手が届かなかった待機層の顧客に手を届かせただけで、長期的な戦略にはならなかった。もちろんこれはDSが圧倒的に普及しているという背景があるからこそだ。
では Kindle はどうか。はっきりいって、アメリカでは iPhone や iPad に比べるとまだまだである。しかし、アマゾンはこれまでのコンセプトを重要視しているので、このラインはそのままキープしてきた。発売日は本日で、広告つきで79ドル、広告なしで109ドル。日本からも購入可能というのが嬉しい。3Gを切り離したという点と広告モデルを採用したという点がポイント。つまりこれは、単に数量を増やす販促用製品の意味合いが強い。(だから徹底的にコストダウンしたおかげで3Gを切り離すことになったのだろう)
実はYouTubeでKindleというアカウントが作成されており、新しくCMが4本アップロードされている。
まずは新しい Kindle について。
Kindle Friends Commercial — Ad for Amazon’s New $79 Kindle
これから年末商戦に向けて、ギフトとして売り込もうというのがよく分かる。
次に Touch 。これが Kindle の正当な後継機種である。しかし、見れば見るほど Nook に似ている。
よく見るとアマゾンで販売されているKindleの旧機種の名称が Kindle Keyboard になっている。並行販売を続ける予定なのだろう。
Nook の Simple Touch は139ドル~。

Kindle Touch はこちら

これまでタッチパネル採用には踏み切らなかった Kindle だが、学生向けに売り込もうとしていた Kindle DX が不発に終わったことに学んだのだろう。(最近空港などではKindleを持っている人を多く見かけるが、いまだにDXをもっている人に出くわしたことがない)
バッテリーライフはやはりタブレットよりこちら、2ヶ月もつと謳われている。
Two Month Battery Life
No battery anxiety – read for up to one month on a single charge with wireless off and a half hour of reading per day.
あとはやはりタップでページがめくれることだろう。最近の若者はタッチパネルにならされているので、それが普通になっている。
アマゾンも最初は「読書」体験をそのまま移行させようとしたのだが、時代の波を感じたのではないか。もちろん、若者だけでなく、大人でもタッチパネルが便利だと感じる人は多いだろう。
Touch の製品ページでも動画が確認できるが、ここを見るとページをめくる動作はシンプルなタッチになっているようだ。指をスワイプさせている感じはしないのだが実際はどうなのだろう。
またパブリックライブラリーからの蔵書が読めるという点も売りになっている。
さて、ではいよいよKindle Fireを見てみよう。
(その4に続く)
<関連記事>
Amazon が新型 Kindle 3機種4製品を発表 (2) 報道リンク集
Amazon が新型 Kindle 3機種4製品を発表 今度はホントの iPad キラーか Nook は死亡確定??
28 9月 2011
今回の新機種発表はさすがに大きく報道されているようだ。
続きのエントリーをまとめる前にリンクをまとめてみた。
米アマゾンがタブレット端末発表、低価格でアップルに対抗 (ロイター)
ベゾス最高経営責任者(CEO)はニューヨークで開いた発表記者会見で、「これらは低価格の一流品だ」と述べ、「何百万台も販売していく」とした。
多くの電子商品・サービスを手掛ける同社にとって、これらを直接消費者に届けることのできるキンドル・ファイアのような機器を自前で持つことは、非常に重要な意味を持つ。
発表を受け、28日午前の米株式市場で、同社株は3.2%高で推移している。
米アマゾン:タブレット型多機能端末発売 iPadに対抗 (毎日)
*写真が多くていい
価格は199ドルで、タブレットで先行する米アップルの「iPad(アイパッド)」(499ドルから)の半額以下に設定。市場では「最大の競合相手になる」とみられている。
米アマゾン:新タブレット端末発売 日本メーカーにも影響 (毎日)
国内メーカーにとって、標的は事実上アップル1社だったが、アイパッドの半額以下という低価格を打ち出したアマゾンの参入で、国内各社は商品戦略の抜本的な見直しを迫られる可能性がある。
*ガラパゴスのことがまだ書かれていますが。。。もはや死滅
アマゾン、価格199ドルの「キンドル」を発売-「iPad」に挑む (Bloomberg)
アマゾンのジェフ・べゾス最高経営責任者(CEO)は、電子商取引での同社の優位な立場を生かせばアップルのiPadに太刀打ちできるとみている。ヒューレット・パッカード(HP)やリサーチ・イン・モーション(RIM)などアップルと競合する企業がタブレット市場に投入した商品は期待外れに終わっている。
ウェッジ・パートナーズ(ニューヨーク)のアナリスト、ブライアン・ブレア氏は、キンドルは低価格で利益率が低い公算であるものの、アマゾンは電子書籍や映画、音楽などの売り上げでこれを補うことができるとの見方を示した。同氏は先週のインタビューで「アマゾンだけがタブレットで本格的に競争できる唯一の企業で、アップルと同様のサービスを提供できる」と語った。
*かなり強気であるが、それも納得できる。
米アマゾンが多機能新端末 199ドル、アップルに対抗カラー液晶「キンドル・ファイア」 (日経新聞)
「当社が手掛けてきた各種コンテンツサービスを一括して提供する方法を考えてきた」と説明した。米国以外での販売計画は明らかにしていない。
アマゾン発表会まとめ:7型タブレット Kindle Fire、新 Kindle はタッチ99ドルと無印79ドル(エンガジェット)
Kindle:電子ペーパーを採用した大ヒット電子書籍端末の最新モデル。WiFiモデルのみになり、広告つきで79ドル。広告なしで109ドル。本日発売、日本からも購入可能。
Kindle Touch:Kindleのタッチパネル採用モデル。関連情報をポップアップ表示する”X-Ray”機能も備えています。WiFiモデルと、3G対応モデルがあり、広告ありだとWiFiモデルは99ドル、3G対応で149ドル。広告なしだとそれぞれ139ドル、189ドル。11月21日より出荷。こちらも配送は米国のみ。
*X-Ray機能や日本での発売に言及しているのがナイス。
(次のエントリーに続く)
<関連記事>
Amazon が新型 Kindle 3機種4製品を発表 今度はホントの iPad キラーか Nook は死亡確定??
28 9月 2011
久しく電子出版のネタは大きなものがなかったが、今日のアマゾンの発表は大きなニュースだと言えるだろう。
まず新製品発表の記者会見が東海岸時間の午前10時から開かれ、その後に下記のようなIRが出た。
ntroducing the All-New Kindle Family: Four New Kindles, Four Amazing Price Points
New latest generation Kindle – world’s bestselling e-reader now lighter, faster, and more affordable than ever – only $79
New “Kindle Touch” with easy-to-use touch screen – only $99
New “Kindle Touch 3G” with free 3G – the top of the line Kindle e-reader – only $149
New “Kindle Fire” – the Kindle for movies, TV shows, music, books, magazines, apps, games, and web browsing with all the content, free storage in the Amazon Cloud, Whispersync, Amazon’s new revolutionary cloud-accelerated web browser, vibrant color touch screen, and powerful dual-core processor – all for only $199
まず新型 Kindle は廉価版として位置づけられ、価格は脅威の79ドル(今のレートだと6000円ちょっととか)。
そしてこれまで待ち焦がれていた感のあるタッチパネル搭載型の “Kindle Touch” が99ドル(WiFi版)と149ドル(3G版)
ここまではなんとなく予期されていたものであり、製品のデザインや色合いも過去のモデルを踏襲しているのが誰にでも分かる。
そして、最後にいよいよアマゾン初のタブレット機 “Kindle Fire” が199ドルで発売。
(しかし、この Kindle Fire って何ともベタな名前だが、最初に Kindle というネーミングをつけた時から狙っていたのだろうか。とすると、Fire が実はアマゾンの狙いだったということになるが)
ジェフ・ベゾスCEOも得意満面という感じ。
これまでの Kindle の発表はアップルのそれと比べると地味なものだった。しかし、今回はデモ動画からして華やかである。どう見てもアップルを意識している気がする。
この Kindle Fire に関しては今日別のIRも出ている。
Introducing “Amazon Silk”: Amazon’s Revolutionary Cloud-Accelerated Web Browser, Available Exclusively on Kindle Fire
今回アマゾンは満を持して、自社の持てる力を存分に発揮できる製品を投入してきたという雰囲気が漂う。Cloud Serviceを前面に打ち出しているのもその一つ。ここで紹介されているクラウド型ブラウザー「Silk」の実力は如何に!?
(次のエントリーに続く)
<参考記事>
タッチパネル採用のアマゾン Kindle Touch は 99ドル、3G付きで144ドル (エンガジェット)
27 9月 2011
Lighthouseはロサンゼルスで最大の発行部数を誇るフリーペーパーです。
これまでご縁がなかったですが、今回ソーシャルメディア関連の特集を組まれるということで少しご協力をさせて頂きました。
一緒に「ソーシャルメディア革命」でご紹介したツイッターを活用した移動型たこ焼き店舗 たこ焼きたのた さんの記事も掲載されています。ロサンゼルス近郊の方はぜひご一読を。
掲載記事の題名は「Facebook派?or Twitter派?「商売繁盛にひと役!ソーシャル・メディアの基礎知識」です。(P.61-65)
27 9月 2011
Tech Crunchは日本に住む外人の手によって立ち上げられたユニークな翻訳関連会社のMyGengoがこれまでのシード調達に加えて新たにシリーズAで$5.25M(525万ドル)を調達したことを報じた。これにより、同社の調達金額総額は$6.8Mとなった。
Human Translation Platform myGengo Raises $5.25 Million From Atomico, 500 Startups
筆者は過去にオンラインゲームのローカライズや映像字幕の翻訳を行う事業をしていた時期から、同社やコニャックなどの翻訳サービス、そしてLive MochaやLang-8などのソーシャル言語学習プラットフォームには注目してきている。各社それぞれ異なる事業展開をしているが、やはり日本人のスタートアップ企業よりは、そうでないスタートアップ系企業のほうが勢いがある。これの大きな原因は、ずばり
日本のVCやエンジェル(いるのか? 別格の人は一人だけ知ってるが)たちが「ヴィジョン」に投資しないから
だ。
反論もあろう、小規模でそれをやっている人もいるだろう。でも肝心の「お金持ち」がそれを断行しない。視野も世界的ではない。
シリコンバレーにいけばいいってもんじゃない。視野を広くできないなら、意味はない。アメリカに長くいたからといって、英語が勝手にできるようになるとは限らないというのと同じことだ。SNSやソーシャルゲームで儲けているGREEやDeNAには本当に世界で活躍してもらいたい。しかし、海外で成功したいと思ったらビジネスモデルを一から構築するというくらいの考えで投資をしたほうがいいのではないか。国内で成功したからといって、安易にそのままのビジネスモデルを持ち出すのは危険である。
「いつまでもあると思うなブームと金」がドットコム業界の鉄則じゃないだろうか、ビジョンとスピード、大局観が重要である。そのためには必要な人材も集める必要がある。(そんなこと言われなくともわかっているだろうが)
これまでVCの担当者やエンジェルと呼ばれる人やインキュベーション事業を手掛けるという方に少なからず出会ってきたが、大手になればなるほどヴィジョンなんて気にしていない。儲かるのか?グーグルに勝てるのか?なんてありきたりのことを聞くだけである。要は担当者が責任逃れしたいだけなのだ、と斜めに思ってしまうこともしばしば。大体、自分で起業すらしたことない人間が起業家をメンタリングなんてできるのか??(いけない、朝からテンションが高くなってしまった)
少なくともインターネットやIT系に限っていえば、日系企業が欧米の企業に対して「クールな」買収を仕掛けて成功したことなんて記憶にない。
<参考記事>
VCが聞くバカな質問

ネットの世界は動きがめちゃくちゃ速い。通常の判断なんてアテにならない。みんなで共同してそれを盛り上げていくしかないわけだ。
逆に投資家の利権を守るための提携から阻害されると、いくらいいプランでも成り立たなくなる。(Ningがいい例)
そして、今世界のビジネスを突き動かしているのは「未来を変える」ことにつながるビジョンである。利益は二の次、という企業のほうがむしろ成功しやすい。(Twitterがどうなるかは別にして)それが理解できていないから、日本は世界二位の経済規模と充実したユーザーエクスペリエンスをもちつつも、いまだに世界市場に打ってでられない。
他の分野のことはよく分からないが、少なくともネット系に関しては世界規模で通じるモデルを構築できている会社は日本にほとんどない。しかし、それは日本の会社だとできないというわけでは決してない。
この点で日本で運営されているMyGengoがこれだけの資金調達に成功した理由を日本の企業やVCは学ぶべきである。(もちろん創業者の関連で英国のVCから調達できたという背景もあるのだろうが)
では、このMyGengoが競合サービスと比較して何がすごいのだろう。それはこの会社が人力だけではなく、AIの活用に注目したことだろう。これはAPIと書かれているアウトプットの部分もそうだし、内部の翻訳メカニズムにおいても同様。翻訳業界は何しろアナログな業界なので、「機械翻訳」=グーグル翻訳という考え方がある。そして、その質は低いものだと一般的に考えられている。(最近のグーグル翻訳は精度が上がっているが)
しかし、翻訳業界にはTRADOSやSDLX(今は同じ会社)のような翻訳メモリーというのも存在する。これは人力翻訳を機械的に支援するものだ。(使い勝手がいい一方、ソースとターゲットが一対一で紐付けされるなど問題点も多く、これを補完するシステムを自前で構築したら生産性が著しく向上した)翻訳はプロの翻訳者がやれば品質がいいことは疑う余地もない。しかし、それをするには国内では値段がかかりすぎる。
結果、翻訳業界は大きな勢いで中国にシフトをしている。このままでは中国は世界の「翻訳工場」になってしまう。ただでさえ世界一の人口を抱えている国なのだから、これは脅威だ。問題はやはり翻訳品質が低いことである。日本の膨大なコンテンツは中国に流れて世界の言語に翻訳されていく、オンラインで翻訳のプロジェクトを探したら日本の顧客が中国企業に発注した翻訳の仕事の下請け案件を日本人が受注していたみたいな笑えない話も散見している。(コンテンツが海賊版として流れ出るなんてリスクは言うまでもないだろう)
かくして日本の翻訳業界は致命的なダメージを受け、規模は縮小する一方である。
話をMyGengoに戻すと、彼らが目をつけているのはこういう翻訳業界の「目に見えないニッチ」である。それはスケーラビリティと生産性の向上だ。
これをビジネスチャンスの観点で説明すると、例えば今世界で大きなブームになっているソーシャルゲームに関連している。例えば現在私もいくつかのソーシャルゲームを試しているが、言語のクオリティはとても低い。同じ日本の企業が運営しているとは信じられないほどである。これには恐らく二つの原因がある。一つはコストダウンのために外国人を利用している点、もう一つはXML対応や翻訳メモリーなど、翻訳を支援するインフラが十分に整っておらずスピードを要求されるオンラインゲーム業界の波についていけていないことだ。
筆者が手がけていたのはMMORPGだったので、分量は多いが、スピード感はそれほどでもなかった。(コストが莫大だから当然だが)しかし、ソーシャルゲームの動きは速く、コンテンツをどんどんアップしないとすぐに飽きられてしまう。ソーシャルゲーム以外のソーシャルプラットフォームについても同様。
そして、これが日本語から英語になると話はもっとひどいことになる。まったくもってまともな英語のレベルではなく、従って海外のユーザーを集めるのは困難になる。ここでも日本人の英語ベタがネックになっている。言語QAをまともにできる人物が少なすぎるのであろう。そういうロジスティック的な部分を考えずに、単に日本で流行ったiモード的な課金を進めようとしてもそうは問屋がおろさない。
ソーシャルゲームのメーカーもこぞって海外進出を目指しているようだが、任天堂やSONY、コナミやカプコンなど大手ゲームメーカーがこれまで苦戦してきた内容を彼らは知らずにいる。そして、もちろん大手を除けば資本力には限界があるのでコストをかけずに「一攫千金」を狙おうとする。しかしこれではなかなか打率が上がらず、多くの会社は廃業を余儀なくされる。
ではソリューションは何か?二つある。
1)アウトプットの効率を高めること = MyGengoのようなスケーラブルなシステムで低コストで効率よく翻訳できる汎用システムを使って、自社のサービスに運用する。自社の翻訳データベースも構築されていく。
2)資本的なバックアップ = 映画に対して組まれるような投資ファンドの態勢でソーシャルゲーム業界をバックアップする。
MyGengoは1のソリューションを提示しうる可能性をもつ企業であり、日本国内で世界的な視点をもった(少なくとも100%ではない)非日本人により運営されている点が特筆に値する。ソーシャルゲームは日本が世界に向けて成功できる一つの大きなチャンスとなりうる。しかし、大手が必ずしも成功するとは限らない。アイデア次第でまだまだ伸びるソーシャルゲームの分野でグローバルイニシアチブを取るためには、2のように資本家の手助けも必要なのだ。(採算性が高いのはGREEとDeNAが示してくれた通りなのだから)そして、買収できる小さなスタジオもたくさんある。しかし、この資本家はこれまでの怠慢が理由で世界的な視野を持っていない。全体が把握できていないし、スピードもカバみたいに遅い。(アマゾンはチーター)もっとも、多くのVCや商社はよりリターンの大きい資源ビジネスに集中しているのかも知れない。だが、ITは日本人が世界でまだまだ活躍できる分野だと確信している。
思うに、VCの人たちには今ネットの世界で起こっていることを分析する力が欠落している。世界が見えていない。
だから、MyGengoがなぜ資本を集められるのか、不思議で仕方ないだろう。(英国はすでに「言語」で世界を制圧した実績をもつ国であるということをお忘れなく)
なぜアマゾンやアップルが成功したのか、そしてフェイスブックやグルーポンが証券市場を揺るがすような規模で上場できるのか、そういう点についてのリサーチと包括的な分析が足りない。ソフト、ハード、サービスを総合的に俯瞰できる能力と視点をもたなければならないし、出ては消えていくスタートアップが取っている「リスク」、そしてドライバー足る創業者の資質などを見極める総合的な力を身につけなければならない。今の日本経済は無駄遣いをすることを許さないのだが、世界に打って出ようとする「ヴィジョン」と情熱をもった若き起業家を日本全体がサポートすることは必須条件である。もちろん、少しずつその力は蓄積されているのだろう、単にこれまであまりにも見当違いのことをしていただけなのだ、と信じたい。
日本の投資家は、シリコンバレーの大規模な投資案件には到底食い込めない。だからこそ、視点を少し変えてシード寄りの投資に注力してはどうだろう。もちろん、そこにはリスクが伴うが、リスクの伴わない「ベンチャー」なんて定義から外れている。
Ningに150億突っ込める企業がなかったとは思えないが、それほど多くはなかったろう。だけど、5億なら突っ込める企業や機関投資家はまだたくさんあるはずだ。TCで1つずつこのような資金調達が発表される度に、「なぜ私たちはこれに投資しなかったのか、あるいは投資しないのか?」という議論を内部でやってみるのはいかがか。あるいは上司がネチネチ訊いてみたらいいのでは?(笑)
「目の付け所がシャープ」なVCやエンジェルが数多くの失敗を経て、日本でも育ってくれることを切に願う。
それは日本の未来を切り開く一つの道である。投資するのは事業にだけとは限らない、人材に、そして「機会」に投資することこそが20年後、30年後の日本の未来を明るいものにするのではないだろうか。
<関連エントリー>
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27 9月 2011
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Tumblrのページビューは驚異的―Wikipediaを抜いた(2011年9月27日)
まさに「ジワジワ来るTumblr」である(笑)簡易ブログのTumblrはスキンのオプションが多彩で、有料版は高機能。見た目だけでなく機能面にも違いが如実にでるGUIは画期的である。そして何より使いやすい「緩さ」がポイントである。iPhoneからでも簡単にアクセスでき、その簡易性はワードプレスをはるかにしのぐ。日本ではツイートをまとめて電子新聞化するサービスPaper.liも最近流行っているようだが、Tumblrは誰でも簡単にコメントできて共有できるソーシャルな「ブログかわら版」という感じ。
スマホからの利用も多いTumblr
今日(米国時間9/26)われわれはTumblrがSequoia Capitalやリチャード・ブランソンらから$85M(8500万ドル)の資金調達に成功したことを伝えた。Tumblrのページビューの数字を見ればこの巨額の出資も決して驚きではないと分かるだろう。
訪問者数に比べてもTumblrのページビューは桁外れだ。実際、Tumblrは訪問者数では10倍もあるWikipediaを月間PVでは抜いている(comScore調べ)。Tumblrはユーザー同士が頻繁にお互いのページを見るようデザインされているからだ。投資家のBijan Sabetは「TumblrではログインしたユーザーによるPVが大半を占める」とコメントしている。
Sequioa は言わずと知れたVCの大手、リチャード・ブランソンはビジネスで革命を起こし続けているヴァージングループの総裁である。
(ヴァージンはソーシャルに力を入れているが、これはトラディショナルメディアや大企業全般に言えることだ もはやソーシャルはネット上の大前提である)
筆者が意力ブログを開始したのは2009年だが、当初はビジネスを宣伝する意味で立ち上げられたものだったので、エントリーの頻度もそれほどではなかった。(当時は新しいビジネスを模索するので手一杯だったのだ)しかし、とあるきっかけでソーシャルメディアそのものに対して本格的に注力をすることを意識し始めたのが2009年の秋頃で、その原因となったのはTumblr だった。(ちなみに英語ブログはTumblrを使っている。こちらはまだ自身のニッチをうまくつかめていないので試験的な運用というレベルだが)
簡易ブログでマスを取り込みやすいTumblrと、百科事典を標榜しておりどちらかというと執筆の敷居の高いウィキペディアを閲覧者数で比較するのは少し強引な気もするが、コミュニティ規模という点では一つの目安になることも事実。
Tumblrが生成するPVの規模がいかに桁外れか、もう少し詳しくcomScoreの数字を検討してみよう。この8月、Tumblrはユニーク訪問者ランキングでトップ100サイト入りを果たした(4100万人、99位)。しかし8月のPVでみると、65億で21位だ。これに対して、Wikimedia
Foundationのサイト(Wikipedia.orgなどを含む)は月間ユニーク訪問者、4億2300万で 56億PVを生成している。ページビューに関する限り、TumblrはTwitter.comより大きく(もちろんユニーク訪問者数は少ない)、AOLやCraigslistの半分程度だ。下にComScoreのトップ100サイトの抜粋を掲げておいた。
1. Facebook (503B PV/月)
2. Google (272B PV/月)
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13. Craigslist (12.5B PV/月)
14. AOL (12.4B PV/月)
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21. Tumblr (6.5B PV/月)
22. Wikimedia Foundation Sites (5.6B PV/月)
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28. CBS Interactive (4.1B PV/月)
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32. Twitter (3.4B PV/月)
33. ESPN (3.3B PV/月)
1位のFacebookがダントツなのは分かるとして、CraigslistやAOLが依然上位なのは意外。日本ではCraigslistに該当するサイトがないのだが、これはやはりネットの文化はリアルの文化を色濃く反映することの表れだろう。もちろん、日本でやると出会い系サイトやネタ系のブログがかなりのアクセスを占めるはず。
しかし、$85Mとは何とも大きな金額だ。世界経済は不況のまっただ中だというのに、ソーシャルメディアでの勝ち組はどんどん評価を高めているようだ、というか、不況だけにそうなっているというべきか。
*それにしてもErickのエントリーにギークらしさがまったく感じられないのは私だけだろうか。。。何か普通の新聞記事みたいだ(苦笑)