28 9月 2011
今回の新機種発表はさすがに大きく報道されているようだ。
続きのエントリーをまとめる前にリンクをまとめてみた。
米アマゾンがタブレット端末発表、低価格でアップルに対抗 (ロイター)
ベゾス最高経営責任者(CEO)はニューヨークで開いた発表記者会見で、「これらは低価格の一流品だ」と述べ、「何百万台も販売していく」とした。
多くの電子商品・サービスを手掛ける同社にとって、これらを直接消費者に届けることのできるキンドル・ファイアのような機器を自前で持つことは、非常に重要な意味を持つ。
発表を受け、28日午前の米株式市場で、同社株は3.2%高で推移している。
米アマゾン:タブレット型多機能端末発売 iPadに対抗 (毎日)
*写真が多くていい
価格は199ドルで、タブレットで先行する米アップルの「iPad(アイパッド)」(499ドルから)の半額以下に設定。市場では「最大の競合相手になる」とみられている。
米アマゾン:新タブレット端末発売 日本メーカーにも影響 (毎日)
国内メーカーにとって、標的は事実上アップル1社だったが、アイパッドの半額以下という低価格を打ち出したアマゾンの参入で、国内各社は商品戦略の抜本的な見直しを迫られる可能性がある。
*ガラパゴスのことがまだ書かれていますが。。。もはや死滅
アマゾン、価格199ドルの「キンドル」を発売-「iPad」に挑む (Bloomberg)
アマゾンのジェフ・べゾス最高経営責任者(CEO)は、電子商取引での同社の優位な立場を生かせばアップルのiPadに太刀打ちできるとみている。ヒューレット・パッカード(HP)やリサーチ・イン・モーション(RIM)などアップルと競合する企業がタブレット市場に投入した商品は期待外れに終わっている。
ウェッジ・パートナーズ(ニューヨーク)のアナリスト、ブライアン・ブレア氏は、キンドルは低価格で利益率が低い公算であるものの、アマゾンは電子書籍や映画、音楽などの売り上げでこれを補うことができるとの見方を示した。同氏は先週のインタビューで「アマゾンだけがタブレットで本格的に競争できる唯一の企業で、アップルと同様のサービスを提供できる」と語った。
*かなり強気であるが、それも納得できる。
米アマゾンが多機能新端末 199ドル、アップルに対抗カラー液晶「キンドル・ファイア」 (日経新聞)
「当社が手掛けてきた各種コンテンツサービスを一括して提供する方法を考えてきた」と説明した。米国以外での販売計画は明らかにしていない。
アマゾン発表会まとめ:7型タブレット Kindle Fire、新 Kindle はタッチ99ドルと無印79ドル(エンガジェット)
Kindle:電子ペーパーを採用した大ヒット電子書籍端末の最新モデル。WiFiモデルのみになり、広告つきで79ドル。広告なしで109ドル。本日発売、日本からも購入可能。
Kindle Touch:Kindleのタッチパネル採用モデル。関連情報をポップアップ表示する”X-Ray”機能も備えています。WiFiモデルと、3G対応モデルがあり、広告ありだとWiFiモデルは99ドル、3G対応で149ドル。広告なしだとそれぞれ139ドル、189ドル。11月21日より出荷。こちらも配送は米国のみ。
*X-Ray機能や日本での発売に言及しているのがナイス。
(次のエントリーに続く)
<関連記事>
Amazon が新型 Kindle 3機種4製品を発表 今度はホントの iPad キラーか Nook は死亡確定??
28 9月 2011
久しく電子出版のネタは大きなものがなかったが、今日のアマゾンの発表は大きなニュースだと言えるだろう。
まず新製品発表の記者会見が東海岸時間の午前10時から開かれ、その後に下記のようなIRが出た。
ntroducing the All-New Kindle Family: Four New Kindles, Four Amazing Price Points
New latest generation Kindle – world’s bestselling e-reader now lighter, faster, and more affordable than ever – only $79
New “Kindle Touch” with easy-to-use touch screen – only $99
New “Kindle Touch 3G” with free 3G – the top of the line Kindle e-reader – only $149
New “Kindle Fire” – the Kindle for movies, TV shows, music, books, magazines, apps, games, and web browsing with all the content, free storage in the Amazon Cloud, Whispersync, Amazon’s new revolutionary cloud-accelerated web browser, vibrant color touch screen, and powerful dual-core processor – all for only $199
まず新型 Kindle は廉価版として位置づけられ、価格は脅威の79ドル(今のレートだと6000円ちょっととか)。
そしてこれまで待ち焦がれていた感のあるタッチパネル搭載型の “Kindle Touch” が99ドル(WiFi版)と149ドル(3G版)
ここまではなんとなく予期されていたものであり、製品のデザインや色合いも過去のモデルを踏襲しているのが誰にでも分かる。
そして、最後にいよいよアマゾン初のタブレット機 “Kindle Fire” が199ドルで発売。
(しかし、この Kindle Fire って何ともベタな名前だが、最初に Kindle というネーミングをつけた時から狙っていたのだろうか。とすると、Fire が実はアマゾンの狙いだったということになるが)
ジェフ・ベゾスCEOも得意満面という感じ。
これまでの Kindle の発表はアップルのそれと比べると地味なものだった。しかし、今回はデモ動画からして華やかである。どう見てもアップルを意識している気がする。
この Kindle Fire に関しては今日別のIRも出ている。
Introducing “Amazon Silk”: Amazon’s Revolutionary Cloud-Accelerated Web Browser, Available Exclusively on Kindle Fire
今回アマゾンは満を持して、自社の持てる力を存分に発揮できる製品を投入してきたという雰囲気が漂う。Cloud Serviceを前面に打ち出しているのもその一つ。ここで紹介されているクラウド型ブラウザー「Silk」の実力は如何に!?
(次のエントリーに続く)
<参考記事>
タッチパネル採用のアマゾン Kindle Touch は 99ドル、3G付きで144ドル (エンガジェット)
27 9月 2011
Lighthouseはロサンゼルスで最大の発行部数を誇るフリーペーパーです。
これまでご縁がなかったですが、今回ソーシャルメディア関連の特集を組まれるということで少しご協力をさせて頂きました。
一緒に「ソーシャルメディア革命」でご紹介したツイッターを活用した移動型たこ焼き店舗 たこ焼きたのた さんの記事も掲載されています。ロサンゼルス近郊の方はぜひご一読を。
掲載記事の題名は「Facebook派?or Twitter派?「商売繁盛にひと役!ソーシャル・メディアの基礎知識」です。(P.61-65)
27 9月 2011
Tech Crunchは日本に住む外人の手によって立ち上げられたユニークな翻訳関連会社のMyGengoがこれまでのシード調達に加えて新たにシリーズAで$5.25M(525万ドル)を調達したことを報じた。これにより、同社の調達金額総額は$6.8Mとなった。
Human Translation Platform myGengo Raises $5.25 Million From Atomico, 500 Startups
筆者は過去にオンラインゲームのローカライズや映像字幕の翻訳を行う事業をしていた時期から、同社やコニャックなどの翻訳サービス、そしてLive MochaやLang-8などのソーシャル言語学習プラットフォームには注目してきている。各社それぞれ異なる事業展開をしているが、やはり日本人のスタートアップ企業よりは、そうでないスタートアップ系企業のほうが勢いがある。これの大きな原因は、ずばり
日本のVCやエンジェル(いるのか? 別格の人は一人だけ知ってるが)たちが「ヴィジョン」に投資しないから
だ。
反論もあろう、小規模でそれをやっている人もいるだろう。でも肝心の「お金持ち」がそれを断行しない。視野も世界的ではない。
シリコンバレーにいけばいいってもんじゃない。視野を広くできないなら、意味はない。アメリカに長くいたからといって、英語が勝手にできるようになるとは限らないというのと同じことだ。SNSやソーシャルゲームで儲けているGREEやDeNAには本当に世界で活躍してもらいたい。しかし、海外で成功したいと思ったらビジネスモデルを一から構築するというくらいの考えで投資をしたほうがいいのではないか。国内で成功したからといって、安易にそのままのビジネスモデルを持ち出すのは危険である。
「いつまでもあると思うなブームと金」がドットコム業界の鉄則じゃないだろうか、ビジョンとスピード、大局観が重要である。そのためには必要な人材も集める必要がある。(そんなこと言われなくともわかっているだろうが)
これまでVCの担当者やエンジェルと呼ばれる人やインキュベーション事業を手掛けるという方に少なからず出会ってきたが、大手になればなるほどヴィジョンなんて気にしていない。儲かるのか?グーグルに勝てるのか?なんてありきたりのことを聞くだけである。要は担当者が責任逃れしたいだけなのだ、と斜めに思ってしまうこともしばしば。大体、自分で起業すらしたことない人間が起業家をメンタリングなんてできるのか??(いけない、朝からテンションが高くなってしまった)
少なくともインターネットやIT系に限っていえば、日系企業が欧米の企業に対して「クールな」買収を仕掛けて成功したことなんて記憶にない。
<参考記事>
VCが聞くバカな質問

ネットの世界は動きがめちゃくちゃ速い。通常の判断なんてアテにならない。みんなで共同してそれを盛り上げていくしかないわけだ。
逆に投資家の利権を守るための提携から阻害されると、いくらいいプランでも成り立たなくなる。(Ningがいい例)
そして、今世界のビジネスを突き動かしているのは「未来を変える」ことにつながるビジョンである。利益は二の次、という企業のほうがむしろ成功しやすい。(Twitterがどうなるかは別にして)それが理解できていないから、日本は世界二位の経済規模と充実したユーザーエクスペリエンスをもちつつも、いまだに世界市場に打ってでられない。
他の分野のことはよく分からないが、少なくともネット系に関しては世界規模で通じるモデルを構築できている会社は日本にほとんどない。しかし、それは日本の会社だとできないというわけでは決してない。
この点で日本で運営されているMyGengoがこれだけの資金調達に成功した理由を日本の企業やVCは学ぶべきである。(もちろん創業者の関連で英国のVCから調達できたという背景もあるのだろうが)
では、このMyGengoが競合サービスと比較して何がすごいのだろう。それはこの会社が人力だけではなく、AIの活用に注目したことだろう。これはAPIと書かれているアウトプットの部分もそうだし、内部の翻訳メカニズムにおいても同様。翻訳業界は何しろアナログな業界なので、「機械翻訳」=グーグル翻訳という考え方がある。そして、その質は低いものだと一般的に考えられている。(最近のグーグル翻訳は精度が上がっているが)
しかし、翻訳業界にはTRADOSやSDLX(今は同じ会社)のような翻訳メモリーというのも存在する。これは人力翻訳を機械的に支援するものだ。(使い勝手がいい一方、ソースとターゲットが一対一で紐付けされるなど問題点も多く、これを補完するシステムを自前で構築したら生産性が著しく向上した)翻訳はプロの翻訳者がやれば品質がいいことは疑う余地もない。しかし、それをするには国内では値段がかかりすぎる。
結果、翻訳業界は大きな勢いで中国にシフトをしている。このままでは中国は世界の「翻訳工場」になってしまう。ただでさえ世界一の人口を抱えている国なのだから、これは脅威だ。問題はやはり翻訳品質が低いことである。日本の膨大なコンテンツは中国に流れて世界の言語に翻訳されていく、オンラインで翻訳のプロジェクトを探したら日本の顧客が中国企業に発注した翻訳の仕事の下請け案件を日本人が受注していたみたいな笑えない話も散見している。(コンテンツが海賊版として流れ出るなんてリスクは言うまでもないだろう)
かくして日本の翻訳業界は致命的なダメージを受け、規模は縮小する一方である。
話をMyGengoに戻すと、彼らが目をつけているのはこういう翻訳業界の「目に見えないニッチ」である。それはスケーラビリティと生産性の向上だ。
これをビジネスチャンスの観点で説明すると、例えば今世界で大きなブームになっているソーシャルゲームに関連している。例えば現在私もいくつかのソーシャルゲームを試しているが、言語のクオリティはとても低い。同じ日本の企業が運営しているとは信じられないほどである。これには恐らく二つの原因がある。一つはコストダウンのために外国人を利用している点、もう一つはXML対応や翻訳メモリーなど、翻訳を支援するインフラが十分に整っておらずスピードを要求されるオンラインゲーム業界の波についていけていないことだ。
筆者が手がけていたのはMMORPGだったので、分量は多いが、スピード感はそれほどでもなかった。(コストが莫大だから当然だが)しかし、ソーシャルゲームの動きは速く、コンテンツをどんどんアップしないとすぐに飽きられてしまう。ソーシャルゲーム以外のソーシャルプラットフォームについても同様。
そして、これが日本語から英語になると話はもっとひどいことになる。まったくもってまともな英語のレベルではなく、従って海外のユーザーを集めるのは困難になる。ここでも日本人の英語ベタがネックになっている。言語QAをまともにできる人物が少なすぎるのであろう。そういうロジスティック的な部分を考えずに、単に日本で流行ったiモード的な課金を進めようとしてもそうは問屋がおろさない。
ソーシャルゲームのメーカーもこぞって海外進出を目指しているようだが、任天堂やSONY、コナミやカプコンなど大手ゲームメーカーがこれまで苦戦してきた内容を彼らは知らずにいる。そして、もちろん大手を除けば資本力には限界があるのでコストをかけずに「一攫千金」を狙おうとする。しかしこれではなかなか打率が上がらず、多くの会社は廃業を余儀なくされる。
ではソリューションは何か?二つある。
1)アウトプットの効率を高めること = MyGengoのようなスケーラブルなシステムで低コストで効率よく翻訳できる汎用システムを使って、自社のサービスに運用する。自社の翻訳データベースも構築されていく。
2)資本的なバックアップ = 映画に対して組まれるような投資ファンドの態勢でソーシャルゲーム業界をバックアップする。
MyGengoは1のソリューションを提示しうる可能性をもつ企業であり、日本国内で世界的な視点をもった(少なくとも100%ではない)非日本人により運営されている点が特筆に値する。ソーシャルゲームは日本が世界に向けて成功できる一つの大きなチャンスとなりうる。しかし、大手が必ずしも成功するとは限らない。アイデア次第でまだまだ伸びるソーシャルゲームの分野でグローバルイニシアチブを取るためには、2のように資本家の手助けも必要なのだ。(採算性が高いのはGREEとDeNAが示してくれた通りなのだから)そして、買収できる小さなスタジオもたくさんある。しかし、この資本家はこれまでの怠慢が理由で世界的な視野を持っていない。全体が把握できていないし、スピードもカバみたいに遅い。(アマゾンはチーター)もっとも、多くのVCや商社はよりリターンの大きい資源ビジネスに集中しているのかも知れない。だが、ITは日本人が世界でまだまだ活躍できる分野だと確信している。
思うに、VCの人たちには今ネットの世界で起こっていることを分析する力が欠落している。世界が見えていない。
だから、MyGengoがなぜ資本を集められるのか、不思議で仕方ないだろう。(英国はすでに「言語」で世界を制圧した実績をもつ国であるということをお忘れなく)
なぜアマゾンやアップルが成功したのか、そしてフェイスブックやグルーポンが証券市場を揺るがすような規模で上場できるのか、そういう点についてのリサーチと包括的な分析が足りない。ソフト、ハード、サービスを総合的に俯瞰できる能力と視点をもたなければならないし、出ては消えていくスタートアップが取っている「リスク」、そしてドライバー足る創業者の資質などを見極める総合的な力を身につけなければならない。今の日本経済は無駄遣いをすることを許さないのだが、世界に打って出ようとする「ヴィジョン」と情熱をもった若き起業家を日本全体がサポートすることは必須条件である。もちろん、少しずつその力は蓄積されているのだろう、単にこれまであまりにも見当違いのことをしていただけなのだ、と信じたい。
日本の投資家は、シリコンバレーの大規模な投資案件には到底食い込めない。だからこそ、視点を少し変えてシード寄りの投資に注力してはどうだろう。もちろん、そこにはリスクが伴うが、リスクの伴わない「ベンチャー」なんて定義から外れている。
Ningに150億突っ込める企業がなかったとは思えないが、それほど多くはなかったろう。だけど、5億なら突っ込める企業や機関投資家はまだたくさんあるはずだ。TCで1つずつこのような資金調達が発表される度に、「なぜ私たちはこれに投資しなかったのか、あるいは投資しないのか?」という議論を内部でやってみるのはいかがか。あるいは上司がネチネチ訊いてみたらいいのでは?(笑)
「目の付け所がシャープ」なVCやエンジェルが数多くの失敗を経て、日本でも育ってくれることを切に願う。
それは日本の未来を切り開く一つの道である。投資するのは事業にだけとは限らない、人材に、そして「機会」に投資することこそが20年後、30年後の日本の未来を明るいものにするのではないだろうか。
<関連エントリー>
ソーシャルゲームの今後 (1)
27 9月 2011
テッククランチの新CEO Eric Schonfeld の投稿はシンプルだけどもインパクトがある。
Tumblrのページビューは驚異的―Wikipediaを抜いた(2011年9月27日)
まさに「ジワジワ来るTumblr」である(笑)簡易ブログのTumblrはスキンのオプションが多彩で、有料版は高機能。見た目だけでなく機能面にも違いが如実にでるGUIは画期的である。そして何より使いやすい「緩さ」がポイントである。iPhoneからでも簡単にアクセスでき、その簡易性はワードプレスをはるかにしのぐ。日本ではツイートをまとめて電子新聞化するサービスPaper.liも最近流行っているようだが、Tumblrは誰でも簡単にコメントできて共有できるソーシャルな「ブログかわら版」という感じ。
スマホからの利用も多いTumblr
今日(米国時間9/26)われわれはTumblrがSequoia Capitalやリチャード・ブランソンらから$85M(8500万ドル)の資金調達に成功したことを伝えた。Tumblrのページビューの数字を見ればこの巨額の出資も決して驚きではないと分かるだろう。
訪問者数に比べてもTumblrのページビューは桁外れだ。実際、Tumblrは訪問者数では10倍もあるWikipediaを月間PVでは抜いている(comScore調べ)。Tumblrはユーザー同士が頻繁にお互いのページを見るようデザインされているからだ。投資家のBijan Sabetは「TumblrではログインしたユーザーによるPVが大半を占める」とコメントしている。
Sequioa は言わずと知れたVCの大手、リチャード・ブランソンはビジネスで革命を起こし続けているヴァージングループの総裁である。
(ヴァージンはソーシャルに力を入れているが、これはトラディショナルメディアや大企業全般に言えることだ もはやソーシャルはネット上の大前提である)
筆者が意力ブログを開始したのは2009年だが、当初はビジネスを宣伝する意味で立ち上げられたものだったので、エントリーの頻度もそれほどではなかった。(当時は新しいビジネスを模索するので手一杯だったのだ)しかし、とあるきっかけでソーシャルメディアそのものに対して本格的に注力をすることを意識し始めたのが2009年の秋頃で、その原因となったのはTumblr だった。(ちなみに英語ブログはTumblrを使っている。こちらはまだ自身のニッチをうまくつかめていないので試験的な運用というレベルだが)
簡易ブログでマスを取り込みやすいTumblrと、百科事典を標榜しておりどちらかというと執筆の敷居の高いウィキペディアを閲覧者数で比較するのは少し強引な気もするが、コミュニティ規模という点では一つの目安になることも事実。
Tumblrが生成するPVの規模がいかに桁外れか、もう少し詳しくcomScoreの数字を検討してみよう。この8月、Tumblrはユニーク訪問者ランキングでトップ100サイト入りを果たした(4100万人、99位)。しかし8月のPVでみると、65億で21位だ。これに対して、Wikimedia
Foundationのサイト(Wikipedia.orgなどを含む)は月間ユニーク訪問者、4億2300万で 56億PVを生成している。ページビューに関する限り、TumblrはTwitter.comより大きく(もちろんユニーク訪問者数は少ない)、AOLやCraigslistの半分程度だ。下にComScoreのトップ100サイトの抜粋を掲げておいた。
1. Facebook (503B PV/月)
2. Google (272B PV/月)
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13. Craigslist (12.5B PV/月)
14. AOL (12.4B PV/月)
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21. Tumblr (6.5B PV/月)
22. Wikimedia Foundation Sites (5.6B PV/月)
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28. CBS Interactive (4.1B PV/月)
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32. Twitter (3.4B PV/月)
33. ESPN (3.3B PV/月)
1位のFacebookがダントツなのは分かるとして、CraigslistやAOLが依然上位なのは意外。日本ではCraigslistに該当するサイトがないのだが、これはやはりネットの文化はリアルの文化を色濃く反映することの表れだろう。もちろん、日本でやると出会い系サイトやネタ系のブログがかなりのアクセスを占めるはず。
しかし、$85Mとは何とも大きな金額だ。世界経済は不況のまっただ中だというのに、ソーシャルメディアでの勝ち組はどんどん評価を高めているようだ、というか、不況だけにそうなっているというべきか。
*それにしてもErickのエントリーにギークらしさがまったく感じられないのは私だけだろうか。。。何か普通の新聞記事みたいだ(苦笑)
27 9月 2011
いよいよ明日Amazonの新製品が発表される。
下記は電子出版関連の情報ポータルの先駆者であるEBook2.0 Forumの鎌田氏のコメント
アマゾンは、米国東部時間9月28日水曜10時に記者発表を行うことをメディアに予告した。タッチスクリーンの100ドルKindleまたはタブレット、あるいは両方同時とみられている。B&Nも10月にNook Touchの新製品とColor2製品を発表すると言われており、いよいよ「タブレットの年」を飾るG1クラスの登場となりそうだ。
米国では一般的に製品発表を水曜日に行う。しかし、9月28日の発表は予想されておらず、最近では10月か11月と言われてきた。例によって今回も発表の中身については何も触れられていないが、CNet (9/23)によれば「以前Kindleの製品発表を告知してきたPR担当者から」案内があったそうで、KindleないしKindle+タブレットという可能性が強い。筆者の予想では後者。従来のKindleシリーズとタブレットの位置関係を明確にするには、そのほうがいいからだ。また、多くの調査会社はアマゾンが4Q11にタブレットの売上400万台を見込んでいると伝えており、その通りだとすると4Qの開始直前にタブレットを受注開始状態にしておく必要があるからだ。(EBooks2.0 Forum 鎌田氏)
これに先駆けて、アマゾンのIRでは新たに興味深い発表がなされている。映画配給会社大手の20世紀フォックスと11000点を超える映画やテレビ番組のライセンス契約を締結したというのだ。
Amazon Announces Digital Video License Agreement With Twentieth Century Fox
SEATTLE, Sep 26, 2011 (BUSINESS WIRE) –
Amazon.com today announced a licensing agreement with FOX that will allow Amazon Prime members to instantly stream a broad selection of popular movies and TV shows from the FOX library. This deal will bring the total number of Prime instant videos to more than 11,000 movies and TV shows later this fall.FOX titles available to Prime members will include contemporary movies such as, “Speed,” “Mrs. Doubtfire,” “Doctor Dolittle,” “Last of the Mohicans,” and “Office Space,” as well as classics like “The Longest Day,” “All About Eve,” “9 to 5,” and “Butch Cassidy and the Sundance Kid.” FOX also brings to Prime members a selection of popular TV series including “24,” “The X-Files,” “NYPD Blue,” “Arrested Development,” “Buffy the Vampire Slayer,” “Ally McBeal,” and newly available on digital video, “The Wonder Years.”
“We have received very positive feedback from Prime members about Prime instant videos. Customers love the instant access to thousands of movie and TV favorites,” said Steve Oliver, director of Video at Amazon.com. “Since the launch of Prime instant videos in February, we have more than doubled the library to 11,000 titles and will continue to add more of our customers’ favorite movies and TV shows to Prime instant videos.”
ここでの対象はAmazon Primeの会員向けということになっている。Prime Instant Video
有料動画配信ではNetflixやHULUの活躍が目覚しいが、アマゾンはここの牙城を突き崩そうとしているようだ。そして、もちろんここでもアップルのアップルTVとバッティングするのだが、今のところアップルTVは比較的地味な存在である(筆者は大好きなのだが)
<参考記事>
Amazon Prime vs. Netflix: Video Streaming Feature Showdown
このライセンス契約はタブレットによる動画視聴をも目論んでいるような気がするのだが、どうだろう。アマゾンの究極的な目標はどこからでもつながる「アマゾン端末」を作ることだと思っている。キンドルは確かに画期的な製品で電子出版を切り拓いたが、アマゾンはクラウドサービスという強い武器をもっており、総合的に囲い込みを実施している。手品ではないが、みんながキンドルに心を奪われているすきに、もう片方の手でまったく違う「トリック」の仕込みを行なっていたとしても不思議ではない。だが、正面からアップルに対抗するのはアマゾンらしくない気もするし。。。
新製品に対する鎌田氏のコメント
アマゾン・タブレットの直接のターゲットはNook Colorであり、9.28というタイミングがB&Nを意識したものであることは明らかだ。他方で、B&Nもそれを受けてリークした可能性が強い。アマゾンはさらに9-10型というカードもあり、これをホリデーシーズン直前に用意する可能性もある。いずれにせよ、iPad 2の独走状態に、はじめて対抗馬が登場することになる。
筆者もこの案には同調。来月発表されると噂のiPhone5に続いてiPad3ももうすぐ出ることだし、タブレット戦線は加熱している(大手に限ってのみだが)。アマゾンの画期的なコンセプトはタブレットにどう活かされるのだろうか。そして、ハードだけでなく、それを取り囲む周辺環境も決して無視できない、というかむしろそちらからアマゾンの戦略を分析するほうが重要である。
明日が何とも楽しみである。
(余談だが、明日は実は長女の誕生日。10歳という一つの区切りを経験するのは何とも感慨深い。いよいよ来月からは日本で一大プロジェクトに取り組むことになり、しばらく家族のもとを離れることになるので、それまでの間家族と過ごせる時間を大事にしたい)
25 9月 2011
先日も書いたように、ソーシャルゲーム会社は日本で隆盛を誇っている。DeNAやGREE、そしてMixiもこぞって北米に進出しており、それぞれの思惑で展開を進めているようだ。
日本ではもともと存在していたガラケー向けの携帯ゲームで課金が浸透していた、つまりユーザーがお金を払うことに抵抗感が少なかったことから有料制ソーシャルゲームへの移行はスムーズだった。アバターなどにお金をかける勢いも半端無くすごいのは、日本にいる間に体感したことだ。一方、アメリカでもフェイスブックがソーシャルゲームを大流行させたのは間違いなく最大手のZynga は急成長を遂げている。
ZyngaのCrunch Baseプロフィール
しかし、もともとアメリカの携帯ユーザーはそれほどモバイルゲームには執着していなかった。フェイスブックのゲームも、スパム的な要素が強くなってくるにつれて、ユーザーは離れていく。何より、そもそもその定義からユーザーは「カジュアル」であり、リテンションが弱いのだから仕方ない。この辺りは、私自身も以前MMORPGのローカライズを手がけた時に痛感したことだ。
ソーシャルを含めたオンラインゲームのポイント、それは時間の奪い合いである。
ソーシャルゲームは課金が難しく、現在の主流はインゲームのポイント制課金である。これは日本の出会い系サイトなどでも慣れ親しまれている手法のようだ。しかし、誰もが有料でゲームを買うわけじゃない、というか多くの人は買わないので、何とか無料でユーザーにDLしてもらい、長く続けていくなかでゲームを気に入ったコアユーザーにポイントを買ってもらう。(システム的には「時間をお金で買う」手法が用いられる。これにより、新規参入のプレイヤーも少しお金を払うことですでに進んでいる他のコアゲーマーに追いつくことができる)そこで、様々な工夫が凝らされるようになる。最近では「カイブツクロニクル」で有名なAdwaysのように、ゲーム内広告で他の自社ゲームに誘導する手法が流行ってきているようだ。確かにこれは効率がいい。ソーシャルゲームをやっていると、結局無料プレイヤーは多くの「待ち時間」を過ごすことになる。カイブツの場合は体力回復である。(ポイントを使うと回復アイテムが買える)これまではこの「待ち時間」が諸刃の剣だった。その間に、ユーザーの溜飲が下がったり、他のゲームに移動されたりするからである。
かくして、ソーシャルゲームのユーザーはいろんなゲームを次から次へと試しては、ダルくなってきたところ(時間の費用対効果が悪くなってきたところ)で次のゲームに移行するということになる。ロイヤリティもへったくれもあったものではない。ユーザーの時間は限られており、特に日本では通勤時の時間がそれに充てられることは日本の皆さんがご存知の通り。だったら、自社のゲームに誘導しようというものだ。一見、この複数ゲームのプレイは効率が良い。私も現在カイブツクロニクルと「煙に巻いたらさようなら」を同時進行で進めている。以前はKingdom Conquest もやっていたが、有名なFacebook Connect のバグが出た時にヤメてしまった。
日本ではDeNA(モバゲー)の代表作怪盗ロワイヤルと海賊ロワイヤルが、それぞれ10億円ずつを稼ぎ出すと言われているほど怪気炎を上げている状況なので、同じようにユーザーエクスペリエンスを北米にも移行したいと意気込むのはよく分かる。(人材獲得にも躍起になっているようだ)
しかし、このようなユーザーエクスペリエンスをアメリカに移行することは本当に可能なのだろうか? これから何回かに分けて、この点について論証してみたいと思う。検討すべきポイントはゲームの種類、課金方法、ゲームプレイの環境、端末の普及と携帯電話の料金体系の違いなど。確かに最近アメリカでもゲームの携帯課金の流れが進みつつあるように感じている。しかし、多くのユーザーは日本人ほど携帯ゲームにお金を使わないし、そんな時間もないというのがポイントである。また、ソーシャルゲームと携帯ゲーム、そしてカジュアルゲームは微妙に定義が違う存在であり、今後のソーシャルゲームを考える上で、その辺りについても踏み込む方が日本企業の北米進出の手助けになるのではないかと思ってみたり。
そもそも北米でソーシャルゲームは本当に儲けられるのだろうか?(続く)
<参考記事>
Zyngaが株式上場を急いだのはFacebookの先を超すため?(TC)
「ゲーム課金で月5万使うのは普通。他の趣味と同じ」「ネットゲームやめたプレイヤーが罪悪感持つように作れ」…開発者が講演
GALA FAQ
目指すは売上高4000億円 DeNA南場社長が示す「世界一」戦略 (IT Media)
24 9月 2011
フェイスブックの新プロフィールには自分史機能も搭載されるという発表があったばかりですが、早くもLAのセレブの中にもそのページをこっそり公開する者もでてきました。上記のものは震災復興チャリティアルバムの「Jazz for Japan」を取り仕切ったAvatar Records代表のラリー・ロビンソンのページ。FBで彼が友人たちにチラリと公開したものだ。
Developer用のAppを使って自分でもやってみることができるらしい。詳しくはコチラで。
なかなかクールである。しかし、数年前に高橋誠さんと一緒に自分史SNSヒスティを立ち上げた立場からすると、何か複雑な気分。FBから買収される日は来るのだろうか、いや、多分こないですね(苦笑)
ちなみに下記はHisty上の筆者の年表。似てる!? タイムラインがこれまでのサービスでは横のものが多かったのだが、FBのもヒスティと同じ縦型なのに注目。
24 9月 2011
また新しいサービスが出ているのを見つけた。
Shoutflow.com
上位二位は同じ名前のJunさんだった。そういえばそういう名前の知り合いが多いような、まぁ一般的な名前なのかも知れませんが。
アイデアはそれほど目新しくないですが、表示形式はキレイですね。内容はそれほど深くマイニングしてる感じはしませんが、確かに最近交流が多い人たちではあるかも。
彼らのTwitterIDは@shoutflow まだまだフォロワー少ないみたいですが、頑張って頂きたい。
意力はソーシャルでガンガン攻める若い企業と起業家たちを応援します。
24 9月 2011
次世代型電子雑誌を目指すSocial Media Life Japanの創刊準備号に寄稿いたしました。
詳しくはコチラより
Social Media Life Japan とは
「Social Media Life Japan (ソーシャル メディア ライフ ジャパン)」は、日本でも近年利用者が急増しているソーシャルメディアをテーマに掲げた電子雑誌です。twitterやFacebook、mixiなどのソーシャルメディアを、日々の生活やビジネスへ積極的に活用して行くための多彩な情報を提供していきます。
創刊準備号、創刊号で私たちが取り上げることにした特集は、「震災とソーシャルメディア」。東北から関東に及ぶ広大な地域に甚大な被害を与え、多くの尊い命を奪った東日本大震災では、情報通信網も大きな打撃を受けました。家族や知人の安否確認をしようにも電話は不通となり、メールすら届かない危機的な状況に陥る中で、唯一機能したといわれる情報通信手段がソーシャルメディアだったのです。
そこで、Social Media Life Japanでは二号連続で、東日本大震災においてソーシャルメディアがいかに活用されたのかを振り返り、様々な角度から考察を深めて行きたいと思います。