App StoreのApp売上伸長率は音楽を遥かに上回る

9月8日、ASYMCOはiTunes上での売上において立ち上げからの伸び率ではApp StoreのAppのほうが楽曲のダウンロードよりも遥かに多いことを示すグラフを発表した。

エントリー名はiTunes app total downloads to overtake songs this year 

でそのグラフが下記である。

iTunes上でサービス開始後の総ダウンロード数 (単位は10億)
iTunes Download Totals Months after Launch (単位は10億)

ASYMCOによるとこのグラフは9月1日付けのiTMS (iTunes Music Store)と iTAS (iTunes App Store) のデータに基づくとされている。これを見ると楽曲DLが5年近くかけてたどり着いた数字(60億)にApp Storeはその半分以下の期間で到着したことになる。このままの伸びが続けば、今年の終わりには130億くらいの数字で両者が並ぶと予測されている。(iTMSは今年の2月に100億曲の大台を突破したばかりだが、App Storeは早ければあと2ヶ月くらいでこの大台を突破するということになる。これは驚異的な話だ)

もちろんここでのAppのDL数には無料アプリが大量に含まれている点は理解しておくべきだし、今後PingというSNS機能を実装したiTMSが売上を伸ばす可能性も考えられる。いずれにせよ、Appleの囲い込み戦略がどんどんその脅威を強めていくことを示す分かりやすいグラフだと思う。Apple TVでGame Centerが可動し始めたら、本当に日本のゲームセンターみたいなものが各家庭に広がったりして。

ちなみに教育市場に向けて展開されているiTunes Uからのダウンロードも今年の8月25日の時点で3億件を突破しており、Appleの囲い込み戦略がどれだけ功を奏しているかを語る材料は尽きない。競合各社はここから何を学ぶべきなのだろうか。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。