その名も「ガラパゴス」 シャープの電子書籍端末、12月に発売

週末少しゆっくり家族と時間を過ごしながら風邪の療養をしていたので、体調が少し戻りつつある。
日曜日の夜だけに、いつものように新しい週を迎える準備をしていたら。。。目の前にすごいネーミングの記事が飛び込んできた。

その名も「ガラパゴス」 シャープの電子書籍端末、12月に発売 (ITメディア)

独自機種を開発していたのは勿論知っていた、しかしそれにしても何ともすごいタイトルだ。スゴすぎる。ここまで自虐ネタを貫き通すなんて立派なものである。さすが、大阪、さすが我が地元(通学路の辺りだ)。「目のつけどころがシャープでしょ」?と言わんばかりのトンデモナイ意気込みが垣間見える。
正直筆者は昨年からシャープには大きな期待を寄せていた。それは手元にある膨大なプレゼン資料の中のあちこちに垣間見えることだ。なんてったって、天下にその名を轟かした「ツインファミコン」なんて筐体を創りだしたメーカーである。(これにはもともとファミコンという登録商標をシャープが先に抑えていたという経緯が関係しているらしい)


公式サイトはコチラ

しかもコメントが奮っている。

 「世界のデファクト技術をベースに、日本ならではのきめ細かなノウハウと高いテクノロジーを融合させ、世界で通用するモノの象徴としての意味を込めた」としている。

ガラパゴス諸島という孤立した環境のせいで生物が独特の進化を遂げたという、いわゆるダーウィンの進化論と関連づけられているようで、まったく無理やりな理屈に聞こえてしまうこのフレーズの意図は何か。。。そうだ、「象徴」だ。そこに何か別の意図があるに違いない、だってガラパゴスで独自進化したのは「適者生存」に基づくというのが前提で、かつ大型な天敵種がいなかったためとか、そういう大きなポイントを天下のシャープが知らずにネーミングする訳がない。

つまり、「海外進出を果たすに足る実力を持っているが、外には決して出ない」そういう意味でのネーミングなのだろう。そうに違いない、だって、ただでさえガラパゴスでは特殊な保護がないと絶滅の危機に瀕している種が多いのに、外に持ち出したらすぐに死んでしまいそうだ。外的なんてとんでもない。

しかし、次のコメントには。。。

 ガラパゴスは、同社が開発した電子書籍フォーマット「次世代XMDF」を核とした事業ブランド。端末からオーサリングシステム、配信システムまで提供する計画で、海外展開も視野に入れている

なんと、やはり海外進出を目論んでいるのか。。。そうだとしたら何とも不吉なネーミングだと思うんだけども。海外の人はこれ見てどう思うんだろうか。そもそも日本では普通の携帯のことを「ガラケー」とか言ってるみたいだけど、日本の外では日本がガラパゴスだという認識を持っている人はまだまだ少ないんじゃないか。みんなトカゲとかイグアナのイメージしかもたないような、と書きかけてふと思った。そうだ、シャープにはもう一頭、とうに絶滅した旧世代の生き物「ザウルス」がいたか。社風なんだ、これ。あっぱれシャープ!

公式サイトの製品説明スライド抜粋 (クリックで拡大) ダーウィン先生が登場します。

(この理屈をこじつけと思われるかどうかは読者の皆さんの判断に委ねたいと思います)

それでも意力ブログは気概をもって世界に果敢に挑戦する国産電子ブックリーダーを応援します!(シャープさん、同郷のよしみで、レビューするのでサンプルください 笑)

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。