Xmarks CEOが有料サービスとしてのサービスの継続に言及 署名活動開始

先日のエントリーで翻訳文と共にお伝えしたブックマーク共有サービスXmarksのサービス終了に関する告知は世界のあちこちで大きな反響を呼んだ模様。

有償サービスとして検討して欲しいという声や買収の要望など、あまりの反応にびっくりしたJames Joaquin(CEO)はPledge Bankというサービスを通じて署名の募集活動に乗り出したことをブログで発表し、それに多くのユーザーがぞくぞくと応じる形となっている。(意力も早速一票を投じた。署名参加者の全名簿はコチラ) そもそもこのPledge (請願とか、誓いという意味)Bankというサービス自体が非常に欧米らしいサービスだ。

Xmarks の Pledge

見事復活するか!?
見事復活するか!?

なかなか聞くことのないITベンチャーの資金難にまつわる裏話も書かれている。

For Xmarks, 2% of our two million users paying $10 a year would generate $400,000 of annual revenue. Today Xmarks costs over $2 million a year to run. For two developers in a garage this could be a nice business, but we had big aspirations (per point #1) and have already invested $9 million dollars to create the technology and grow the data corpus. If $2MM / year seems crazy high to you, remember that we staffed senior engineers to keep up with changes on multiple browsers and operating systems, plus a team building our search features.

仮に既存200万ユーザーの2%が10ドル払えば40万ドルの収益となるが、Xmarksは年間に200万ドル(1.8億)の運営コストがかかるそうだ。(またこれまでに900万ドルの資金を開発に投入しているらしい) この部分の話がユーザーの琴線にどう触れるかというのが今後の流れを決めそうだ。

筆者も有効活用しているサービスだけに惜しんでおり、このような動きがネットで広がるというのは大変有り難いし、また、無料サービスとして活動していたがために運営資金を切らして存続できなかった、あまたあるサービスの中でもこういう現象が起こったサービスについては記憶がない。当ブログで何度もお伝えしている、簡易SNS構築サービス大手のNingの件は、経営危機に瀕し、自ら無償サービスを打ち切ることで多くのユーザーからバッシングを受けた。
それがどんなによいサービスであっても、無料じゃないと使わないという人しか集められなければ事業として成り立たず、会社としてはサービスを打ち切らざるを得ず、それが目玉サービスだった場合会社自体が精算の憂き目にあってしまう。シリコンバレーではこれまでも何度も繰り返されてきた興亡の物語だが、これを機に「タダより高いものはない」という教訓をインターネットユーザーが認知していく一つのきっかけになればと思う。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。

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