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前回のレポートの続きになるが、ソニーは今回ベガスで開催された世界最大のソーシャルメディアコンファレンスであるブログワールド・エキスポ(BWE)にて、ブロガーたちの憩いの場となるニュー・メディア・ラウンジの単独スポンサーだった。

そこで、今回はソニーが新設したソーシャルメディア部門の担当者(Sukhjit Ghag)を直撃インタビューし、同社が進めているソーシャルメディアPRの内容について聞いてみた。

(W = インタビュアー、S=ソニー担当者)

<自己紹介>
W: 今回はこのようなすばらしいイベントをスポンサーしてくださって、ありがとうございます。日本人として日本の会社がこれくらい先進的にソーシャルメディアをサポートしているのを見るのは本当に嬉しいです。ではまず自己紹介をお願いします。
S: はい、スッチー・ガグ(Sukhjit Ghag)と言います。みんなからはスッチーと呼ばれてます。
W: スッチーって日本語だとCA(スチュワーデス)のことだけど、知ってましたか?(笑)
S: そうなんですか、知りませんでした。面白いですね。通りで日本人の同僚たちに紹介した時に変な顔してた訳だわ、というのは冗談だけど(笑)
W: 一度聞いてみたらいいですよ、ホントなんで。正式な役職はどういうものになりますか?
S: 正式な肩書きはソーシャルメディアエヴァンジェリストでSONYブログのメインブロガーも務めています。
W: あなたもブロガーなんですね。
S: ええ、でもどちらかというと、もともとはビデオブロガーの方なんですけどね。
W: カリ・ルイス(Cali Lewis)みたいなものですね。
S: そうですね、でも彼女のほうがもっともっと有名だけど(笑)
もともとはテレビ業界にいたので、映像の部門に関連がある仕事をしていたんです。
W: いつからソニーに参加したんですか?
S: 去年の9月に入りました、一年ちょっと経ちましたね。
W: 一連の組織改革で、サンディエゴに拠点が移った後なんですね。
S: そうです。

<ソーシャルメディア担当のお仕事>
W: 普段はどういう活動を?
S: ブログをする他に、ソーシャルメディアの管理をしています。フェイスブックやツイッター、Flickrなどのソーシャルツールをできるだけ網羅するようにしています。
W: ところで広告はその中に入るんですか?
S: いえ、広告は別の部署が管理しています。私たちの仕事は主にコミュニティ構築です。メッセージを伝えることなんですけど、コミュニティを構築してソニーと消費者の関係を構築して管理することです。
W: ソーシャルメディアに関する活動の中で、情報発信と(意見の)ヒアリングだとどちらの比重が重いと思いますか?
S: ケースバイケースですね。時期によります。例えば新製品が出たときなんかは、できるだけたくさん話していかないといけないし、その後は聞くほうに回ります。でもヒアリングというのはホントに大変な仕事なんです。私が10人いても足りないくらい。例えばツイッターをやってると、一日なんてあっという間に過ぎてしまいますよね。両方を一緒にやるのはかなり大変なことです。新製品発表なんかが続いたので、最近はどちらかというと話している時間のほうが多かったですね。
W: じゃーブロガーやツイッターユーザーの背景をチェックしたりなんかもしてるんですね。
S: そうですね、相手が誰かを見極めることは非常に重要なことです。それにかなり長い時間を費やすこともしばしばです。そうして、一人一人のファンとつながっていけると思っています。
そして、ソーシャルメディアをやる上で私がソニーに入る前に重要視したのは、その会社が消費者から愛されるようなブランドかどうかということでした。私の判断は間違ってなかったと思います。
W: エンゲージメントという言葉があちこちで取り沙汰されていますが、そういうことですね。
S: そうです。エンゲージメントは健全なコミュニティの構築のためにはとても重要なことです。
W: そういう意味では、このブログワールドみたいなイベントって貴重な機会ですよね。
S: そうですね、似たようなイベントではSouth by South Westがあります。そのイベントのインタラクティブな部門はこれに似た雰囲気がありますね。
W: その点で、ソニーの活動に敬意を表しますよ。
S: ありがとうございます。他の企業よりも頑張りたいと思っています。

<活動内容>
W: よく出張されるんですか?
S: しょっちゅうですね。先日もNYであったインターネットTVの発表会にいってきたところです。
W: さっきインターネットTVのデモを見せてもらって、それをビデオに撮ったところです。
S: そうなんですね、ぜひリンクを送ってください。楽しみにしています。日本語でもいいわ、日本人の同僚が多いですから(笑)
W: ソーシャルメディア・ブロガーに対するメッセージはありますか?
S: 私の本来の仕事はソニーUSAを宣伝するだけなんですが、ソニーのような世界規模の会社になると、世界中の消費者から質問が来るんです。コミュニティはシームレスにつながっているので、一人の担当分野を知らないうちにどんどん超えていくということはよくあることです。自分自身の職務分掌にこだわっているという時代ではなくなってきてるのを感じます。その分苦労も多いけど(笑)ソーシャルメディアが世界をつなげるという意味を少しずつですが、理解しているところです。

<ソニーの先進的なスポンサー活動>
W: ブログワールドとのつながりについて説明してください。
S: このようなイベントはすばらしいイベントですが、企業としてはその真価を評価するのがかなり難しいのも事実なんです。ですので、今回のようなスポンサーをするまでには、チームみんなで徹底的に検証する必要がありました。ソーシャルメディアチームには3人のスタッフがいて、みんなで良いものにしようと頑張りました。今は3人でやっています。私の担当はコミュニティ構築です。
W: このラウンジをサポートしようというのはスッチーのアイデアなんですか?とてもすばらしいアイデアだと思いますが。
S: ありがとう!私たちの考えでは、このラウンジこそが、情報を発信するインフルエンサーが集って、大事な作業をするところだと思います。ソニーがこの場所をサポートしていくことで、そんな人達の一人ずつと直接やり取りをすることは非常に重要なことだと確信しています。ですが、ソーシャルメディアにおいては、費用対効果(ROI)を説明するのはとても難しいことだというのが一般的な見解だと思うけど、そう思いませんか?
W: ホントにそうだと思います。よく話題になりますよね。でもとにかくやってみるしかないみたいなところからスタートするしかないというのが現実じゃないでしょうか。
S: そうですよね。でも、ある程度の効果を肌で感じることがこの現場ではできます。一つの指標はここ(ラウンジ)にいる人達がどういう状態にいるかを考えてみれば分かると思うんです。幸せにしてるか、とか、これまで以上に私たちの製品に興味をもってもらえているのか、とか。このイベントの前後で彼らの中で何かが変わったか、とかそういうことを我々が直接感じることはできると思います。
W: そうですね。ブースに群がっている人たちからも好感度が伺えます。
S: 例えば、私たちはデジタルカメラに自信をもっています。ブロギーも誇れる製品だと思いますし。実際に私も今持っているこのカメラをどこにも持ち歩いているので、ジュエリーみたいなもんですね(笑) 市場でもすごく評判がいいんですよ。
W: あとあのゲームのヘッドセットはかなり良いですね、もともとゲームとかハードの業界にいたんですが、あれはかなり良いものだと思います。
S: ありがとうございます。ゲームはあまり専門じゃないので、これから勉強しないと。製品が多くて、いろんな人からいろんなことを聞かれるので、普段から常に勉強しておかないといけません。でもソニーのような会社で働けていることにはとても感謝しているんです。
W: 実は私のビデオもソニー製品なんですよ、とても気に入ってます。
S: すばらしいわ。それはとてもいい製品ですからね。オートフォーカスがいいでしょ?

<ブロガーを公式サポートすることを発表!>
W: これからソーシャルメディアが伸びていくと、広告主とエンドユーザー、とりわけインフルエンサーが結びついていくという動きは活発化すると確信しています。
ソニーでもブロガーをサポートするとかいう試みをしてみてもいいと思うんですが、どうでしょう?
S: まったく同感です。いいポイントです。実はそういう方向に我々は着実に進んでいるんですよ。
私たちの製品を愛してくれている人たちをサポートしていくことについて、私たちはもっと積極的に活動していくことになると思います。それは、ロイヤリティ(ブランドに対する忠誠心)をお金で買うというようなことではなくて、すでにいる多くのファンを代表するインフルエンサーの方を支援していく動きというのは続けていきたいと考えています。実はこの点で、一つ最新情報をお伝えしたいと思います。
W: ブロガーとしてとても興味があります!
S: キンバリー・ブレイン(Kimberley Blaine) という女性がいて、GotoMomというサイトを運営しているビデオ・ブロガーです。彼女はソニーの長年のファンで、いつもソニー製品を使ってくれているんです。
彼女のほうからアプローチがあって、私たちと昔からやり取りをしていました。その間我々のデジタルイメージチームがずっと検討していたんですが、検討の結果として、彼女は人格もしっかりとしていて、読者もかなり多いし、理にかなっていると判断しました。そして正式なパートナーシップをすることが決まり、つい先週彼女の新しいプログラム(Mommy to MommyTV)を正式にスポンサーすることを発表したばかりなんです。
ソニー製品を愛用して貰えるお母さんたちを「ソニーママ(Sony Mom)」ってネーミングしたんだけども、彼女が実際に読者だったり友人でもある他のママたちにソニー製品の使い方なんかも説明するんですよ。よかったら彼女を紹介しますよ。とてもすばらしい女性なの!
W: ありがとうございます。間違いなくフォローします(笑) 今日はどうもありがとうございます。これからの活躍を期待しています。
S: ありがとう。読者の皆さんによろしく。私もチェックするからリンク送ってくださいね!
(終)

今回の担当はソニーの公式ブロガーだけあって、ブロガーの気持ちを理解してくれている姿勢がよく伝わってきた。彼女自身もなかなか有名な人物のようで、ブログ記事についてはソニー公式ブログ、そして彼女自身のビデオブログはコチラでチェックできる。
別の視点で考えると、どちらかというとまだまだブロガーに対する認知度も評価も低い日系企業にあって、ソニーのような日本を代表する企業が、スッチーのようなビデオブロガーを、ソーシャルメディア担当として採用しているというのはすごいことだ。私自身にとっても、ソーシャルメディアに対するソニーの本気具合が伺えた、非常に有益なインタビューだった。

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