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ダイヤモンドオンラインは4月5日付けの記事「バンダイナムコは子会社社長を降格、SCEは実質解体惨状を極めるゲーム業界の未来を考える」で全国のソフトハウスの悲惨な実態を伝えている。

実は今回の出張でとある筋からSCEの債務超過の状態についての噂は入手していたが、業界筋では当然の話だったのかも知れない。この記事を書いたのは石島照代(いしじまてるよ)さん、記事の中で触れられているカプコンの稲船氏はゲーム業界では知らない人はいないカリスマプロデューサー/デザイナーで、筆者も一度だけお話したことがある。この不況のゲーム業界の中で儲かっているのは別格の任天堂はさておき、レベルファイブとカプコンしかないと言われているが、同氏も海外戦略を社内で押し通すにはかなりの馬力が必要だったと当時の打ち合わせ(2008年のTGS)で話されたのが印象的だった。

この倒産は、カプコンの常務執行役員・稲船敬二氏によると、氷山の一角でしかないようだ。「今のゲーム業界は最悪な状態。年があけてから、中小のソフトハウスがバタバタと倒産している。私も最近よく泣きつかれますよ。カプコンさん、なんとかしてくださいよって」。
この発言は、3月6日に福岡市で開催された「第2回ゲームフロンティアin福岡」(主催・福岡ゲーム産業振興機構)での基調講演のもの。人材育成を目的と
したイベントでは、それなりに夢に包まれた話が語られるものだが、語られた内容といえば、「今のゲーム業界は最悪の状況」という言葉に象徴される悲惨な話ばかりだった。
現在のゲーム業界の悲惨な状況の原因について、不景気を挙げる人は多い。確かに、現在の不況は、100年に1度の不景気の影響も受けてはいる。だが、今回の場合もそれは結局のところ外部要因でしかない。主要因はゲーム業界特有の構造にある。

筆者は高校1 年生の春休みに九州を自転車で縦断したことがあるが、それ以来北九州地方、特に福岡県の土地柄と人物には好印象を持ち続けている。ファッションの流行の最先端が福岡だという話は以前よくテレビで耳にした話だが、このようにゲーム産業でも活気をもっているというのはすばらしいことで応援したくなる(笑)

一つ気になったのは3ページ目の下記のくだり

任天堂はもはや自社ハードにおける護送船団を形成する必要がなく、最悪、任天堂1社になってもやっていける状況だ。もちろん、有力ソフトメーカー
とはケース・バイ・ケースで付き合ってはいくだろうが、業界全体を抱え込むような、コストのかかる護送船団方式はもはやとらないだろう。
それだけに、SCEに対する期待は高まっている。今秋SCEは、任天堂のwiiリモコンと同じように、振って遊ぶモーションコントローラ「プレイステー
ションムーブ」を発売予定だが、それに伴って「夢よもう一度」ということで、SCEによるPS3護送船団の復活を望む声は強い。今後のSCEの行方を、業
界全体が見守っている。

前半は同意できるが、後半部分についてはどうだろうか。Wiiがモーションコントローラを使ったゲームを導入してヒットしたのは、それが当時かなり革新的だったからである。これから同じようなものを出しても二番煎じのそしりを免れず、最初の物を超えるにはかなりの苦労が必要だろう。何より、任天堂がヒット作を出している背後にはサードパーティの先を行く技術力(自社開発だから当たり前だ)とマリオやドンキーコング、ゼルダなどの市場で長く愛されている独自IP(知財)のおかげであるところが大きい。もともと花札メーカーであった任天堂は業界から「博打に強い」企業として評判であり、華やかな成功の影には失敗した企画やハードなどもかなりある。(古くはV3とかロボットとか、ディスクシステムとか)ソニーも昔はこのようなイノベーションを発揮できる企業だったのだが、最近は本当に見るのも無惨な状態である(これは電子出版でも同じだ)し、また残念ながら任天堂ほど独自の強いIPを持ち合わせていない。何より肝心の任天堂ですらWii とDS の市場ではアップルという思わぬ伏兵により苦戦を強いられているではないか。

筆者もここで述べられているようにSCEの再建を望む者の一人だが、ソニーが再建する手立てというのはあまり考えつかないほどに手詰まり感がある。敢えていうならば、まだ価値がある間にプレイステーションというブランドをそのままオープンプラットフォームとしてしまい、携帯電話機と融合させるというくらいか。つまりプレステ携帯を各社に作らせ、そのプラットフォーム上でこれまで販売してきたようなゲームを売るのである。これは任天堂がDSでやることもできるし、市場は活気付くと思うのだが。。。ただこれまで頑なに自社のブランドを構築してきて「イノベーション」を売りにしてきた同社がいわばプライドを捨てると取られるような行動を取るほど思い切れるとは考えにくい。かつては家電界の改革の旗手であったソニーは今やその技術力やイノベーション力、そして一番大事なスピード感でアップルやアマゾンといった新たなライバルに歴然とした差をつけられている。

(2010年4月5日のブログエントリーよりを一部加筆して転載)

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