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現在電子ブック開国論を連載中だが、改めて読み返してみると考えさせられることも多く、時流を読むことの難しさに唸らせられることもあれば読者のコメントにはっとさせられることもある。こう考えるとやはり「作品」というものは世に出してなんぼなんだろう。襟元を正して受け入れるべき批判は積極的に受け入れたいと思うし、逆に声を大きくすべき点についてはどんどん発言していきたいと思う。

さて、以前のエントリーでも少し触れたのだが電子ブック開国論の編集作業を待っている間にどんどん次の作品の執筆にも取り掛かっている。もう紙で出すのか電子で出すのかということについては、あまり深く考えずにとにかく時を逃さないように自身の創作意欲に任せて筆を進めることにしている。現在執筆中の作品は「Ning 一から」というNingのガイドブックだが、もう一つ温めてきている企画に「ウィキペディアンの憂鬱 (英題:The Melancholic Wikipedians) がある。「憂鬱」は日記形式のストーリー仕立ての作品であり、モキュメンタリーっぽい仕上がりにしたいと考えている。

ウィキペディアは今や世界で最も読まれているネット媒体の一つだと思う。これは検索結果の上位に位置することが多いことや引用をあちこちで見かけることからも伺える。インターネットを活用した(半)双方向メディアとして人類の知を結集する「集合知」たることを目標としているオンライン百科事典(筆者はこの百科事典という言葉にもうウィキはこだわるべきではないと考えているが)であるウィキは非常に便利な媒体である一方で、いわば「闇」あるいは「裏」とも言える一般人の目に触れない部分が非常に大きい。筆者も趣味でウィキペディアの執筆・編集を手掛ける「ウィキペディアン」の一人であるが、実際に作業にかかってみて初めて分かる部分があまりにも大きく驚かされた。

例えばウィキペディアンの中には「管理者」と呼ばれる人たちがいる。これはウィキ独自の投票システムでもって選ばれる存在であり、日本には現在65名のWiki管理者が存在している。今日の時点で日本語版ウィキの登録記事数は688,010項目。これをたった65名で管理しているのだから、この数は増えてしかるべきだと考えている。(もちろん管理者の質は非常に重要だ)それにはもっとウィキについての理解がなされるべきである。

管理者には一般のウィキペディアンが行使できない権利を行使することができるのだが、それは例えばこういうものだ。

ページの保護と解除

* ページの保護および保護解除を行うことができます(保護についてはWikipedia:保護参照)。保護および保護解除の記録は特別:Log/protectにあります。
* 全保護されているページを編集することができます。

ユーザーインターフェイス

編集画面の下に表示される注意書きなど、様々なところに使用されているシステムメッセージを変更できます(Help:システムメッセージ参照)。
ページの削除と復帰

* ページと付属する履歴を全ての版、または一部の版について削除することができます(削除についてはWikipedia:削除参照)。ページと同様にファイルも削除することができます。2006年6月 18日以前に削除された画像に関しては復帰ができません。削除の記録は特別:Log/deleteにあります。
* 削除されたページまたは版を閲覧することができます。また、削除されたページまたは版を復活することができます。

ージの巻き戻し

ページを以前の版に差し戻すことは管理者でなくても行えますが、管理者はこれをより迅速に行うことができます(Help:以前の版にページを戻す方法参照)。これにより連続投稿の荒らしへの対処を迅速に行うことができます。

管理者には苦い思いをさせられた方も多いかも知れないが、彼らの努力たるやすさまじいものがある。俗に「ウィキ廃人」と呼ばれるような一部のウィキの信奉者によってウィキは成り立っている。そして彼らはみなボランティアだ。

そして、先程述べた「かなり特殊な投票システム」によって選任される管理者の資格チェックリストとして次のようなものが挙げられている。

初めての編集から(1か月/3か月/6か月)以上たっていますか?
ウィキペディア日本語版における初めての編集から立候補時点までの期間が1か月未満のアカウントで信任された人はいません。
総編集回数は(100回/300回/500回)以上ありますか?
現在、立候補した時の総編集回数が100回未満の候補者で信任された人はいません。
Category:公式な基本方針やCategory:ガイドラインにある重要なページは一通り読みましたか?
公式な基本方針とガイドラインにはどんなものがあるか、ある程度は理解していないと、管理者として活動するのは難しいかもしれません。
Wikipedia:管理者が心得るべき文書の一覧もあわせて一読して下さい。
もし他の利用者と衝突した場合、冷静・慎重に議論できますか?
管理者に限ったことではありませんが、誰かと衝突したり非難されたりしたときに、冷静さを失って暴言を書いてしまうと、困難な状況に陥ります。
成人に達していますか?
Wikipedia日本語版の成人年齢は、日本国民法第4条に規定されている20歳をもって、成人とします。
管理者は成人年齢に達しているべきだと考える人もいます。そのため、未成年者が立候補すると「立候補にあたって、保護者の方に相談しましたか?」「立候補することについて、保護者の方の許可は貰っていますか?」という質問が続くかもしれません。
立候補の手順は分かりますか?
まず、この手続きが最後まできちんとできないと、信任は難しいかもしれません。説明や過去ログをよく読んで、手続きを進めましょう。

筆者はこの作品が仕上がった暁には英語にも自分で翻訳(あるいは翻訳監修)して、世界に向けて出版したいと考えているのだがそれには大義がある。今Wikiは時代の中でその方向性についていくつかの重要な選択を迫られているような気がしているからだ。そして、これは電子出版(百科事典というくらで、ウィキ自体がいわば電子書籍である)やソーシャルメディア、オンラインマーケティングといった私が専門としている分野について深く関わってくる部分だ。執筆構想をしながらいきつくいくつかのポイントの中の一つがこの「ウィキペディアは誰のものか?」という疑問だ。語弊を恐れずに言うと、これは決して「管理者のため」ではない。(もちろん私のためでもない)

オマケ:ウィキペディアンはお互いに対するレスペクトの中で、この仕事が本当にストレスフルなものであることをよく理解しており、半ば自虐的にお互いを慰め合うことがある。下記の画像はそのようなものの一つである、ストレスゲージだ。

Wikistress Level2

Wikistress Level2

ウィキペディアンの憂鬱本章
序章 ソーシャルメディアとジャーナリズム ~ ウィキペディアンの憂鬱 (1) はコチラ

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