かいじゅうたちのいるところ

昨日東京入りした。今回はそれほど寒くもなく、雨もふっておらず大変過ごしやすい。

全米で大人気の絵本 “Where the Wild Things Are” (Maurice Sendak著、神宮輝男訳)の映画が全米で封切られた。(日本での公開は1月の予定) 早速妻と長女が見に行ってきた。ずいぶん楽しみにしていたものだが。。。反応はさて!?

それにしてもこのタイトルの訳はなかなかいい感じだ。この際のカギはもちろん “Wild Things“ のわけで、これを「かいじゅう」として絵本風に漢字なしの表記で統一したあたりにセンスが伺える。また音の語呂も7・5となりちょうどいい。

「くうねるところにすむところ」というのは有名な落語「寿限無」の一節だが、この表記はそれに音感が近いように感じる。またこの「寿限無」はNHKの有名な教育プログラムの中でも何度も繰り返し詠唱されていたので、多くの子供たちの耳に響きが残っているだろう。

「かいじゅう」は「怪獣」だとちょっとどぎついし、「かいぶつ」だと少し使い方が限定される。かといって「きょうりゅう」では誤訳になってしまうし、何よりでてくるモンスターみたいなキャラが恐竜みたいには見えない。私ならどう訳すか、ちょっと考えてみた。

「かいじゅうたちのすむところ」 → いる と すむ ではどう語感が違うか?

「こわいこわいのいるところ」 → あかちゃんみたい?

「かいじゅうたちのらくえん」 → らくえんかどうかわからないし、のらくえんと続くのがあまりいい見た目ではない

「あらくれもののいるところ」 → あのキャラかなりほのぼのとしてるのでピンとこない。

「こわいばけものがいるところ」 → Again, ばけもの!?

「こわーいやつらのいるところ」 → ちょっと男の子向きすぎるタイトルか?

というわけで、この訳よりいいのが思い浮かばなかった。すっきりとしてていいタイトルだ。日本の興行がよければいいのだが、いずれにせよ日本のお子さんたちにもぜひとも原語の英語で読むこともおすすめしたい。

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立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。