Barnes & Noble、NOOKタブレットの内製を中止へ

Barnes & Noble、NOOKタブレットの内製を中止へ (IT Media)

ある程度想定されていたこととは言え、なんともさびしいお知らせである。

Nook Family

米大手書店Barnes & Nobleは6月25日(現地時間)、NOOKブランドのタブレットの内製を終了し、サードパーティーの端末メーカーと提携すると発表した。提携先はまだ決まっていない。電子書籍およびタブレットを扱うNOOK部門の赤字削減が目的。
 ハードウェア事業からの完全撤退ではなく、電子書籍リーダーは引き続き販売していく。

事業的な数値に関する記述が後に続く

Barnes & Nobleが同日発表した第4四半期(2~4月)の決算は、売上高が前年同期比7.4%減の13億ドル、純損失は1億1860万ドルと、前年同期の5690万ドルから拡大しだ。NOOK部門のEBITDA(利子、税金、減価償却費控除前損益)の1億7700万ドルの赤字が響いた。

 米調査会社Gartnerは、2013年の世界におけるタブレットの出荷台数は前年比68%増の2030万台になるとみており、タブレット市場自体は急拡大している。だが、メーカー別では米Appleと韓国Samsung Electronicsが合わせてシェアの過半を占める状態で、米Amazon.comなどの他社は苦戦している。

かつてのライバルBordersが倒産したとはいえ、低迷を続けるアメリカの出版業界で180億円の赤字というのは何とも厳しいだろう。

このニュースはGizmodoでも大きく取り上げられている

Barnes & Noble Is Going to Stop Making Nook Tablets

Interestingly, B&N will continue to develop its Simple Touch and Glowlight e-readers in-house, while its tablet line will be co-branded with a “yet to be announced third party manufacturers of consumer electronics products”.

タブレット以外のNOOKについては継続するとのこと。アンドロイドタブレットの市場がもはやレッドオーシャン状態であることを如実に物語っている。

Nookは当初よりKindleよりも使い勝手がいいとして端末の評価する声は高かった。しかし、タブレットにしてしまうと「電子リーダー」という観点が薄れ、他のタブレットと比べられてしまう。先行しているアマゾンでさえ、Kindle Fireの評価はまったく高くない。これだけユーザーの目が肥えてきている段階では、自社ハードウェアの開発継続するのは電子ブックリーダーに特化しておくほうが無難なのではないかというのがPC関連製造業に携わった筆者の意見である。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。

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