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数年前我が家の近くのショッピングモールにBOOKOFF(ブックオフ)が来た。
それがどうしたと思うかも知れないが、筆者が住んでいるのは日本ではなくロサンゼルスである。
トヨタやホンダ、全日空など大手日系企業の本社が多数あるところに住んでいるので、日本からの駐在員も多い。留学生の受入数もロサンゼルスはNYに次ぐ規模。

そして、最近一部の若者に日本のマンガやアニメがウケているのはご存知の通り。
BOOKOFFが北米上陸して数年以上は経つと思うのだが、きてそうそう他の古本屋を駆逐していたのは記憶に新しい。そうかと思うと最近大手の旭屋書店までが北米撤退を決めたとかで、すぐ隣にあった書店が消えてしまった。全米第二位のボーダーズが潰れたくらいだから、北米での書店経営は難しい。それに加えて日本人というニッチ市場を狙っていて、新刊しか扱えない。
そこにBOOKOFFが来て古本だけでなく、新刊まで扱うようになってしまったのだから、潰れてしまうのも無理はないと思う。以前拙著を委託で取り扱って頂いたりしたくらいなので、何ともさびしい限りだが時代の流れはどこでも変わらない。

というわけで、ちょくちょく我が家の娘たちを連れて日系マーケットの買い物がてらBOOKOFFにでかける。最近はアメリカ人のお客さんもどんどん増えていることから日本のサブカルブームの広がりがうかがえる。子供たちは「名探偵コナン」が大好きだが、なぜか最近「あさりちゃん」にはまっている。
しかし小学生の頃我が家にもあった、「あさりちゃん」がまだ続いててもうすぐ100巻到達というのは驚くばかり。作者の室山まゆみというのは姉妹のペンネームだったということは最近まで知らなかった。
号外コーナーを読む限りでは姉妹同居しているようなので、きっと二人ともマンガと結婚しちゃったんだろうな、とか余計なことを考えてしまう。(真実は知らない)

子供たちを待っている間私もマンガを立ち読みする口実ができる。
今でこそ買うことはなくなったが、実は子供の頃から兄弟そろって部類のマンガ好きである。(当時住んでいた六畳一間の文化住宅(死語)はマンガであふれ返っていた)

そこで最近はまっているのが「恨み屋本舗」である。
TVドラマにもなっているらしいので、ご存知の方も多いだろう。そういえば最近ネットにこの「恨み屋」が実在していて捕まったというのが話題になっていた。

前置きが長くなったが、この「恨み屋」は依頼人からお金を受け取り、恨みをもつ誰かを「社会的抹殺」か「実質的殺害」をするという恐ろしい内容である。もちろんうちの子供には見せられない(笑)が、ストーリーがなかなか面白い。

*日本社会で感じた「恨み」
そんなある日私のところにも依頼が届いた。。。というわけでは決してない。
決してないのだが、昨年末まで日本に単身赴任をしている間に、何かを感じ取った。ちなみに日本に長期滞在したのは8年ぶりで、前回は大阪から東京に単身赴任していた。その時はこの「何か」を感じなかった。

で、何を感じたかというと、日本に住む多くの女性「たち」のそこはかとない恨みである。
それが何なのかを見極めるのに、しばらく時間がかかったが、それを知ったときにはそれなりの衝撃を受けた。その恨みとは何か。
それは端的には女性、とりわけ我々「団塊ジュニア」(ここでは1971~74年生と定義)の女性たち、その中でも「子供を産みたくても産めなかった(あるいは産めないかも知れない)」女性たちの声にならない叫びと苦悩、社会に対する失望そして恨みである。

birthrate
(出典:平成24年 人口動態統計月報年計(概数)の概況 厚生労働省)

*少子化を巡る素朴な疑問
ではなぜ彼女たちは、本人が、そして社会が切望するにも関わらず子供を産んで育てる、というごく一般的な女性の願望を叶えることができなかったのか。それは本人のせいなのだろうか。
よく言われることだが、これだけ技術が進歩していても、女性が子供を産むことのできる年齢にある上限が変わらないというのは本当に酷なことであり、子供が産めない男性の想像を絶する。

少子化を考える上で、まず世の男性はこの点を深刻に理解する必要がある。日本産婦人科学会が定める(流産やダウン症の確率が高くなる)高年初産(俗にいう高齢出産)の基準は35歳、92年までは30歳だったが社会変化に伴い引き上げられたという。20代後半でこれをまったく意識しない未婚女性というのはかなりの少数派であるはず。子供を産めるか、産めないか、それは男性が結婚相手を選ぶ際に非常に大きなポイントであることはいうまでもない。

成功した同期や友達を尻目に、日々婚活にいそしむ女性はさぞや歯がゆい思いをしているだろう。
世にロリコンオヤジと草食系男子が笛続ける限り、年を取るに経て価値が低くなる今の婚活市場で彼らが理想の結婚相手をゲットする確率はどんどん低くなる。それに煽りをかけるのが離婚率の増加である。せっかく結婚しても、いつ離婚するかわからないという状況では、家族計画にも焦りがでる。
かといって、もちろん誰でもいいわけではない。

私がいるアメリカでは、人口は増え続けている。もう人生の半分をこちらで過ごしているので、日米比較の観点から日本の少子高齢化問題について考えることが多い。
その中で、実はこの問題には複数の黒幕、つまり犯人がいるのではないかという筆者なりの結論にたどり着きつつある。課題先進国といわれるわが国の現状を突き詰めて考えることは他の先進国にも有益なはずである。

というわけで、「ベビーブームを殺したのは誰か?」というトピックで5-6回ほどの連載を開始してみようと思った。その中で、筆者の容疑者リストに挙げられた何人(?)かの犯人候補についてディベート形式で検証しながら黒幕である真犯人にたどり着きたいと思っている。
原因を突き止めることができれば、ひょっとすれば提案までできる、かも知れない。

まず疑わしいのは勿論男性なのだが、それから少し下がって考えてみると怪しいのは日本の「企業文化」である。平成24年平均の雇用者(役員を除く)は5154万人、このうち正規の職員・従業員は3340万人とされる。差分の中にはパート・アルバイトだけでなく契約社員や派遣社員も含まれるそうだから、ざっくりみても4000万人くらいはいそうだ。つまり人口のおよそ三分の一。(人口の四分の一が65歳以上だという高齢化の事実もある)

平日だけでなく、週末にまで繰り広げられる飲みニュケーションや接待に代表されるつきあい、サービス残業を含む過度の残業、社蓄と呼ばれるほどの会社への隷従を求める姿勢、そして根強い女性差別、ひょっとしたらベビーブームはコーポレート・アメリカならぬコーポレート・ジャパン、つまり「会社」に殺されたのではないか。これは怪しい。

しかしその前に別の容疑者を検分したい。

それは「東京」である。
なぜ東京がベビーブームを殺した犯人となりうるのか、それを考えるには戦後のベビーブームを招いた高度経済成長後の社会構造の変化や大都市の変貌、そしてそれにともなうライフスタイルの変化に目を向ける必要がある。企業文化の検分は文化に基づく側面が多い分主観的になってしまう恐れがあるが、東京については数字で紐解ける内容がいくつかある。そして大企業が密集する首都東京と日本の企業文化は密接につながっている。。。(続く)

続く

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Hatena Bookmark - 誰がベビーブームを殺したか(1)ロリコンオヤジと草食系男子増加に苦しむ婚活女子
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