CNBCの投稿 「日本に寄付するな」 の衝撃

アメリカに住んでるのに、ここのところ、ずっとツイッターやUSTで日本の現状をチェックしている僕は確かに、他の日本人と比べても少しおかしいのかも知れません。しかし、世界の果てのコンゴの問題にさえ熱心になる僕が、母国の未曾有の大災害に対して敏感にならないわけがないのです。このやるせない感情はどうにもなりません。

で、この投稿が友達から転送されてきたわけですが、あまりに不快なので、全部翻訳します。
元の記事はDo Not Donate Money to Japan です。 書いた人の名前はJohn Carney (@Carney)で、役職はシニアエディターとなってます。

正直言って、最初はエイプリルフールか何かの冗談だと思いました(苦笑)
今とんでもないことになっている日本の方々にわざわざ英語で反論してくれとはいいません、しかし、海外在住で英語ができる方、もしも下記のコメントに対して納得できなければ声を上げてもらえませんでしょうか。
僕はすでに、コメントを実名(Willは通名ですが)で投稿し、さらにツイッターでメッセージをエディターに送りました。

こんな事態で、このような言語道断の投稿をさせるCNBCにも遺憾の意を表明します。(ていうか、今日行ってきたチャリティイベントを主催してたのはCNBCの親会社のNBC Universalだったんですが、何だったんでしょうか。もしかしたら赤十字への今回の寄付は日本限定ではないのかも知れませんね、確認が必要かも知れません。そんなことないはずなんですが)
ネット上では、American Red Crossへの寄付を勧める声が多いです。確かに信頼のある団体です。しかし、2007年にCharity GlobeというNPOを立ち上げて、ソーシャル寄付の活動をしようとしていた際に調べたことですが、大きな団体だからといって、全てがいいかというとそういうわけでもありません。得たいの知れない他のところへ寄付するよりはいい、という程度で、もちろん彼らも経費はがっつりもっていくわけです。CEOだって、すごい給料もらってます。この辺り、寄付やNPOの実態になれていない日本人には難しいことかも知れませんが。

本文です。言いたいことはいろいろありますが、この後の対応は読んだ方の良心に委ねたいと思います。慈善活動が盛んなアメリカで、珍しい意見だと思いますが、不況に苦しむアメリカの本音も見え隠れしますよね。911とかKatlinaの時に世界中から寄付を集めて復興したのは、何だったんでしょうかね??

<本文訳 訳責 筆者>

チャーリー・シーンが生中継の舞台で、彼の財産の一部を日本の震災のために寄付したのを見ても分かるように、日本に寄付をするのは悪い考えだ。

地震、ハリケーン、洪水、津波、火山、あるいは化学的もしくは核による災害というものは人々に、慈善寄付という形での災害救援を支援したいという強い感情を誘発させる。そして、これらは直近の災害に苦しむ人たちの方向に向けられるのだ。

ほとんど全ての国際的な災害救援は非効率である。理由の一部は、これらの救援団体は誰が一番苦しんでいるかを知らないからであり、最も効率的に救助する方法を指示できないからである。

更に言うと、これらの大量の「計上された」慈善マネーは救援のプロセスの効率を下げるだけなのである。
というのもこれにより、集められた基金はその使い方を知らないような地域や組織群に流れ込み、結果としてそれらのほとんどは使われずに終わるか、間違った使い方(ill-spent)をされて終わるのだ。

日本の災害救助に寄付すべきではないという点で私と意見を一にするフェリックス・サーモンは、また上記とは別に加味するべき要素を挙げている。それは、日本が世界で最も豊かな国の一つであるという事実だ。つまり、彼らは自分たちの問題は自分たちで始末できるのである。

この日本の場合に限って言えば、他にももっとたくさん寄付すべきでない理由がある。
日本は豊かな国であるのみならず、自国の災害に対応するため(だけではないが)に何千億円(hundreds of billions of dollars (billion dollars = 何十億ドル)という新しい紙幣を印刷するのだ。つまり、彼らにとってお金はボトルネックには成り得ない。お金が必要なら、日本はいつでもそれを得ることができるのだから。

私たちは、自分たちの不安定で予測不能な生活のために使ったほうがよほどましである。もしも、私たちがチャリティに興じたければ地域ローカルのチャリティや教会にそれらを投じればいい。もしも国際的なチャリティに興味があるのならば、Charity Waterや赤十字、国境なき医師団などに使ってあげればいい、ただ不特定の目的のために、という条件付きでだ。

最後にもう一度Salmonを引用してみよう:

まとめるなら、赤十字やSave the Childrenのような組織が日本で重要な役割を果たす可能性は十分にある。しかし、また彼らは同じように重要で有意義な役割をまったく他のところでも果たすことができるのだ。だから、寄付をしたければそうしなさい。ただ、お金に糸目をつけないように! (and give generously!)
そして、お金を他のNGO(非政府組織)にもあげよう。例えば国境なき医師団(MSF)のような、自然災害にすぐに飛びついたりせず、日和見主義のマーケティング手段(opportunistic marketing devices 意味がやや不明)として用いることができるところにね。無条件にするんだよ、わかったね。

The fact that Charlie Sheen has decided donate a portion of the money from his live stage shows to help people affected by earthquake in Japan should be all you need to know that donating money to Japan is a bad idea.

Earthquakes, hurricanes, floods, tsunamis, volcanoes and even chemical or nuclear disasters can provoke a strong urge on the part of people to want to provide disaster relief in the form of charitable donations directed at those afflicted by the most recent disaster. This is almost always a mistake.

Almost all international disaster relief is ineffective. Part of the reason for this is that relief groups rarely know who is suffering most, or how aid can be most effectively directed.

What’s more, these floods of ‘earmarked’ charity dollars only make the relief process less effective. It results in a gush of funds into a region and organizations that cannot possibly know how to spend it—as a result, much of it often is unspent or ill-spent.

Felix Salmon, who agrees that we shouldn’t be donating to Japanese disaster relief, points out another factor that should come into play—Japan is one of the wealthiest countries in the world. It can pay for its own relief.

In the specific case of Japan, there’s all the more reason not to donate money. Japan is a wealthy country which is responding to the disaster, among other things, by printing hundreds of billions of dollars’ worth of new money. Money is not the bottleneck here: if money is needed, Japan can raise it.

We’d do far better to use these occasions to reflect on the unpredictability and fragility of our lives. If we’re charitably minded, we can turn to local charities and churches. If it’s international charity that interests you, donate to Charity Water, the Red Cross or Doctors without Borders—with dollars unrestricted to any particular disaster.

Here’s Salmon again:

That said, it’s entirely possible that organizations like the Red Cross or Save the Children will find themselves with important and useful roles to play in Japan. It’s also certain that they have important and useful roles to play elsewhere. So do give money to them — and give generously! And give money to other NGOs, too, like Doctors Without Borders (MSF), which don’t jump on natural disasters and use them as opportunistic marketing devices. Just make sure it’s unrestricted.

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立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。

13件のコメント

  1. K
    2011 年 3 月 16 日

    正論ですね。うぃるさんは経済の勉強をしたほうが良いかと思いますよ。

  2. sk
    2011 年 3 月 16 日

    何に憤慨されているのでしょうか?あなたの感情論で書かれた文より納得できます。冷静になってもう一度、読み直されることをおすすすめします。

  3. will
    2011 年 3 月 16 日

    Kさん
    ご訪問ありがとうございます。
    お言葉ですが、言われてることの意味がよく分かりませんし、私は経済を学んだこともあります。仮に学んだことで、そんな物言いしか出来なくなるのなら、そんな学問はこちらから願い下げ、ということになりますでしょうかね。
    反論もしようがないので、ちゃんと説明してください。
    荒らしとみなして、IP貼りますね。まともな返信あれば外します。

  4. will
    2011 年 3 月 16 日

    SKさん
    ご訪問ありがとうございます。
    何に憤慨してるのか?ということでしたら、
    「このタイミングでこんな文章を書くことに」です。
    彼はこの続きの投稿もしてますが、タイトルがまずミスリーディングです。
    じゃーSKさんはアメリカは世界から一切支援が必要ないと思いますか?
    あと、慈善団体の行為を非難してますが、これはドナーに対する不敬もいいところです。
    SKさんのほうこそ、文脈が読めてるのかと思うのですが?
    いかがでしょうか。
    こちらも荒らしとみなしIP貼ります。返信あれば、外しますんで、まともな議論をお願いします。
    SK: 58.158.46.219

  5. will
    2011 年 3 月 16 日

    タイトルがミスリーディングであることを理解してください。
    慈善団体が非効率であることと「寄付をしないこと」には関連性があるようで、ありません。
    日本が豊かであることと、支援を受けるかどうかは関係ありません。
    (そもそも被害総額が未定ですし、一般市民のダメージを誰かが補填してくれるわけでもありません)

    これは単にアメリカが不況だから、外貨が外に逃げ出すのを嫌がっているだけ、というのが本音だと思います。
    もちろん、突発的に慈善に走る人たちがいるから警鐘を鳴らしているのも理解できます。あるいはRed Crossのような大きな慈善団体の裏事情を知ってるからかも知れません。

    しかし、日本は実際に海外からの支援を必要としており、海外にいる人たちも助けたいと思っています。寄付したい人がいて、お金が必要な人たちがいるのだから、後は他の問題を解決すればいいわけです。そこに論点をもっていかずに、ただ、この論旨に同意する方たちの意見には同意できません。

    日本では「物資を送っても仕方ないからお金を送れ」という議論、海外では「お金なんか送っても仕方ない」という議論。
    支援したいと考える人たちの意見を汲んで具体的なソリューションを考える方向にもっていくべきでは?

    彼の意見に同意する方々は「日本には経済的支援が必要ない」という風に思っているということになりますが、その場合の根拠を示してほしいです。そうじゃないと、なんだかんだ煽ってる荒らしにしか聞こえません。たまには日本が世界から支援を受けてもいいじゃないですか、「持ちつ持たれつ」じゃないですか?
    それとも日本はまだまだ昔みたいに、とんでもない金持ち国なんですか?政治論争見てるとそんな風には感じられませんが。

  6. AA
    2011 年 3 月 16 日

    自分は赤十字を信じない。1999年台湾921大地震の時、アメリカで集めた赤十字募金を全然関係ない中国人民共和国へ一旦渡し、それから台湾へ来る事態が起こった。病んでいるよこの団体。

    大きな団体はメディアのパフォーマンスがうまいだけで、実際の効率はどうか誰も監査出来ない状態。

    あっこにもコメントしてもらったが、無理してポジティブに考えるようにすれば、Carney氏はパラドックス論点で実際「何をすべきか」の一石を投じた効果はあったか?

  7. Yoshi
    2011 年 3 月 16 日

    今日本人は、寄付の金額や寄付行為そのものも嬉しいが、それ以上に、何か手助けをしたいという世界中から集まってくる「気持ち」や「我々もともにいる、日本頑張れ」という心温かい「メッセージ」に勇気づけられています。1人1人にできることは限られているので、応援のメッセージだけで十分なのです。
    John Carney 氏から被災した人達を気遣う「気持ち」やメッセージが感じられないのが残念でした。

  8. K
    2011 年 3 月 17 日

    荒らしのつもりでコメントを書いたわけではありません。すこし感情的になりすぎていませんか?
    しかし、うぃるさんが被災者に対して強い同情の気持ちを持っているということは伝わりました。

    私の意見を述べます。文章が苦手なのでわかりにくかったりするかもしれませんが、がんばります。

    >それとも日本はまだまだ昔みたいに、とんでもない金持ち国なんですか?

    そのとおりです、とんでもないお金持ち国です。政治論争は無視して数字を見ましょう。
    テレビや格付機関は間違っているか誤解をあたえるような表現が多いですから絶対にうのみにしないでください
    世界最大の債権国
    http://newsmanga.com/social/20100607_24350080_001.html
    世界最大の債務国
    http://ishin.in/modules/report/details.php?bid=29

    うぃるさんが日本は国債を過剰に発行しすぎて借金だらけの貧しい国だと思っておられるのが「日本に寄付する必要はない」という意見に対して憤慨しておられる理由だと思いますが、このJohn Carneyという人は
    >日本が世界で最も豊かな国の一つである
    と書いているようにそうは思っていないようです。

    金持ちのjpnという人が転んで骨折をしましました。それを知ったjpnに膨大な借金をしている世界一の貧乏人usaさんは急いで駆け付けて応急手当をし、そして病院に連れていき入院の手続きまでしてくれました。そして治療費の一部を負担しましょうかと(返すべき借金とはべつにして)申し出てきたのです。それをJohn Carneyという人が「それはおかしいんじゃないか?」という意見を言いました。
    それを聞いたうぃるさんがJohn Carneyは最低な奴だと言っているように見えたので私はJohn Carneyの言っていることは正論ですよと書き込んだのです。

    私は九州に住んでいて直接の被災者ではありませんが、アメリカ軍の素早い支援には大変感謝しています。
    空母まで派遣してくれましたw物資、ヘリ、人、アメリカ納税者の税金を大量に使っています。本当にこれ以上アメリカからのお金の支援が必要なんですか?

    地震後の通貨の動きを知っていますか?円高です。未曾有の大災害が起こり原発事故も起こっているのにその国の通貨が上がるっておかしいと思いませんか?
    理由まで書くと長くなるので省略させてください^^;(数ヶ月後には円安になると思いますが・・・)

    >彼らにとってお金はボトルネックには成り得ない。お金が必要なら、日本はいつでもそれを得ることができるのだから。

    日銀がお札を発行できるという意味ですね。しかも円高なので余裕で発行できます。
    日銀は地震後に金融緩和策を次々と行っていますがそのお金は復興資金として健全に消費されていくでしょう。
    ところがアメリカがこれまで行なってきた金融緩和策は金融市場の投機資金を膨大な量にしてしまい原油などの価格を釣り上げてしまいました。いま円高なのも投機資金の流入でしょう、もうこれ以上アメリカはドルを発行できません。今でさえ資金が溢れて物価が高まり世界が混乱してきています。今、アメリカで大規模な災害が起こったらどうするんでしょうか・・・

    >これは単にアメリカが不況だから、外貨が外に逃げ出すのを嫌がっているだけ、というのが本音だと思います。

    本当にそのとおりです、なにせアメリカは貧乏ですから。
    そして、アメリカの景気が良くなることが間接的に日本への支援につながるということが大いにあると思います。
    アメリカの景気がよくなって商品先物市場が健全な値動きをすることは非常に重要です。アメリカからの募金がかなりの額になったとしても投機資金によって先物市場の値上がりがどんどん進んでいけば、せっかくの募金の効果も薄くなってしまいます。復興に使う燃料代や材料代ですぐになくなってしまうでしょうね。

    これらの理由から私もアメリカ人は日本に募金をすべきでないと思います。

    まとめ
    私はアメリカ人、アメリカ政府に日本のために次のようにして欲しいと思っています。

    直接募金するより自国に目を向けて雇用などを増やし景気を良くすること、税金をたくさん払うこと。(とくにお金持ちのアメリカ人・・・)
    商品市場の高騰を防ぐような政策を行うこと。
    募金をするにしても急いでしなくても良い、円安になってからで良いこと。
    ハイチも忘れないで。

    うぃるさんはアメリカに住んでおられるんですよね?ぜひアメリカの友人に自国の景気がよくなるように頑張ってくれと、それが日本への最大の支援につながると言うことをできるだけ多くの人に伝えてください。おねがいします。

  9. will
    2011 年 3 月 17 日

    Kさん
    コメントありがとうございます。まず、IPは外しますね。
    そして、重要なコメントだと思うので、ブログ本体にて取り扱わせて頂きます。私のコメントもそちらで。指摘されている内容に私も同意できる部分はあります、しかし、まだ理解されていない点もあるかと思います。

  10. Akira
    2011 年 4 月 4 日

    ひとつは、こういう時期にこういうことを公の場で言えて、放送できるところが、まぁアメリカのいいところなんでしょうな。
    わしは好かんがな、こんな国は。

    ところが、Johnとかいうおっさんが言ってるのは、要するに金を回すプライオリティについて言っているんでしょうよ。

    上に長々と書いているがいるけど、円高なのでお札発行が容易とかむちゃくちゃやな。
    そもそもこのJohnとかいうおっさんが言ってるのは、今まで赤字国債を刷りまくって、ほとんどを国内で回してきた日本に対する皮肉でしかない。だから今回もそうやったらえーやろ?と皮肉ってんの、このおっさんは。

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