今度は「放射能は身体に良い」という議論 FOX NEWS

Ann Coulter

Huffington Postが伝えたところによると、Guiltyという本がNYタイムズのベストセラーにもなった、アメリカ人の女流作家アン・コールター(Ann Coulter プロフィール) が「放射能は実は身体にいい」(good for you)という論を物理学者の間では共通の認識となっていると紹介し、大きな物議を醸している。これは例えばラジウムなどの天然元素の放射線を用いたラドン温泉が身体にいい、とかそういうレベルの話じゃないのは読んで頂ければよく分かる。しかもこの人、現職の弁護士である。

Ann Coulter

Ann Coulter: Radiation Is ‘Good For You’ (VIDEO)

(抄訳)
福島原発危機が環境に対してもたらす放射能汚染の程度については懸念がどんどん高まっているところだが、コールターは多くの科学者は放射能の効力についての研究をしており、「米国が設定する最低基準値よりもはるかに高いレベルでも、放射能は身体に良い」結果が出ており発癌予防にもつながると述べた。

ホストのビル・オライリーは訝しげに、例え放射能の影響についての議論があったとしてもメディアの責務として「責任的」であり「石橋を叩いて渡るくらいの慎重さ」が必要だと述べた。「伝えるなら最悪の場合について伝えるべきだ」と主張し、「放射能は程度によっては人を殺す」ということについては科学的合意がある。と言った。

しかし、彼女はそれには同意せず、科学的合意は変わりつつあり、ただメディアが報道していないだけだと言った。

のである。

「あなたの言うことがホントに正しければ、我々は今(危機的状況にある)原子炉に向かっていかなくちゃ」とオライリーは締めくくった。

ちなみに、このビデオ、最後のほうをよく聞いてもらえると分かるが、「広島と長崎の原爆」についても、議論を発展させている。
私も最初は、ふざけているのかと思ったが、最後の方を聞いたところで、「こりゃダメだ」と思いブログへの掲載を決めた次第です。

彼女は台湾の特定のアパートで放射線レベルが高い地域では発ガン率が低かった、という話などを引き合いに出しています。私も念のため、知り合いの内科医に聞いてみたら、確かに高圧線の下にある家屋の住人は発ガン率が低いという統計は存在するらしい。しかし、原爆にまで話を、しかもこのタイミングでもっていくというのは、あまりにも被害者意識を気にしなさすぎる発言であり、大量の被爆者を抱える世界唯一の被爆国である日本人としては、知っておいてもいい議論かと思ったので、掲載させて頂いた。しかし日本のメディアは海外のメディアが言ってることを追いかけているのだろうか。それとも海外のメディアは日本のメディアが忙しいのを知ってて、煽ってるのか。よく分からない。

What’s the heck is going on in the US??

Ann Coulter appeared on Thursday’s “O’Reilly Factor” to advance an argument that she made in a column this week: that radiation is “good for you.”

There has been a high degree of concern about the levels of radiation being released into the environment due to the crisis at the Fukushima nuclear power plant in Japan. But, in a column called “A Glowing Report On Radiation,” Coulter said that many scientists have been studying the effects of radiation and have found that, as she put it,” at some level–much higher than the minimums set by the U.S. government–radiation is good for you,” and actually reduced the risk of cancer.

She repeated this assertion to a skeptical Bill O’Reilly, who told her that, even if there was scientific discussion going on about the effects of radiation, it was the media’s job to be “responsible” and “err on the side of caution” about radiation. “You have to report the worst-case scenario,” he said, adding that there is a clear scientific consensus that “some radiation will kill you.”

Coulter said she disagreed, and said that the scientific consensus has changed, but that the media are not reporting it.

“So by your account we should all be heading towards the nuclear reactor,” O’Reilly said.

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Ann Coulter talks Japan earthquake, tsunami with Bill O’Reilly: ‘Radiation is good for you’ (NY Daily News)

A GLOWING REPORT ON RADIATION (Ann Coulter.com)

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。